ものづくり補助金の事業計画作成のポイントは?作成時に注意すべき事項をわかりやすく解説
こんにちは。公認会計士・税理士の中明です。中小企業が利用できる大型補助金として人気のものづくり補助金ですが、申請には事業計画書の作成が必要です。この事業計画書ってどうやって書けばいいの?とお悩みの方も多いかと思います。今回はものづくり補助金の事業計画を作成する際の基本的なポイントについて解説しようと思います。
目次
①そもそも、ものづくり補助金とは
中小企業が新商品(試作品)開発、新たな生産方式の導入等のための設備投資等を行う際に使用できる大型の補助金です。また「ものづくり」という名称ですが、製造業以外の幅広い業種で申し込むことができます。
②まずは公募要領を読み込もう
事業計画の作成にあたっては、公募要領に様々な要件(盛り込むべき内容)が記載されておりますので、この要件に沿って作成しないといけません。また公募要領には要件以外にも、NGとなる内容もあります。せっかく時間をかけて事業計画書を書いたのに要件に合致していなくてだめだった。NGとなっている内容で事業計画を書いてしまってだめだった。ということが無いように申請にあたってしっかりと読み込んでおきましょう。
ものづくり補助金HP
https://portal.monodukuri-hojo.jp/
以下では、公募要領に記載されている事業計画作成のポイント等についてまとめていきたいと思います。
③要件や審査項目
ものづくり補助金の事業計画書は、どのような事業計画を実施するか記載する部分と、その具体的な数値について記載する部分に分かれます。
どのような事業計画を実施するか記載する部分では、以下の3つを記載する必要があります。形式に指定はありませんが、A4用紙10枚分程度が平均的な量となります。
(1)補助事業の具体的取り組み内容
(2)将来の展望
(3)事業計画における付加価値等の算出根拠
次に具体的な数値について記載する部分ですが、以下の4点が要件とされている項目です。こちらの内容には必ず合致するようにしなければなりません。
(1)新商品(試作品)開発、新たな生産方式の導入、新役務(サービス)開発、新たな提供方式の導入のいずれかに該当する計画であること
(2)事業者全体の付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を年率平均3%以上増加
(3)給与支給総額を年率平均1.5%以上増加、申請時点で申請要件を満たす賃金引き上げ計画を従業員に表明することが必要
(4)事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
これらについて、事業計画書上で達成できることを示す必要があります。特に(3)と(4)については事業計画期間内にて達成する必要があり、未達となった場合はペナルティがありますので注意しましょう。なお、(2)の付加価値額については未達におけるペナルティはありません。
また審査項目として以下の技術面、事業化面、政策面があり、それぞれ評価されます。
課題やその解決策、事業の達成可能性などについてわかりやすく簡潔に記載する必要があります。
・技術面(取組内容の革新性、課題や目標の明確さ、課題の解決方法の優位性、技術的能力)
・事業化面(事業実施体制、市場ニーズの有無、事業化までのスケジュールの妥当性、補助事業としての費用対効果)
・政策面(地域経済への波及効果、ニッチトップとなる潜在性、事業連携性、イノベーション性)
現在自社の事業がどのような状況にあって、どのような点に課題を感じているか。そしてその課題を解決するためにどのような取り組みが必要で、その結果自社はどのようになるか。ということを理論立てて説明する必要があります。またその際、市場のニーズ、状況等についても検討が必要です。
④NG要件
以下のような内容の事業計画はNGとなっていますので、計画を作成する際は注意しましょう。特に外注・委託を予定している場合は補助対象事業とならない可能性がありますので、ご自身の実施したい事業計画が補助金の要件に照らして合致しているのか、しっかりと公募要領を読み込み確認するようにしましょう。
・事業の主たる課題の解決そのものを他社へ外注または委託する事業
・試作品等の製造・開発のすべてを他社へ委託し、企画だけを行う事業
・事業の実施にあたり、実質的に労働を伴わない事業
⑤まとめ
いかがでしたでしょうか。思っていた以上に事業計画を作成するにあたってのポイントが多いと感じられて方も多かったのではないでしょうか。事業計画書の作成にあたってはまず公募要領をしっかりと読み込む必要がありますが、かなりボリュームがありますので少々ハードルが高い部分もあると思います。
清澄会計事務所では事業計画書の作成を専門家が全面サポートしております。お悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。