法人設立時に必要な届出とは?税理士がわかりやすく解説

こんにちは。江東区で税理士をしている中明です。

今回は、法人設立時に税務署などに提出が必要な届出書について詳しく解説します。

法人設立時には、いろいろな書類を届け出る必要がありますが、どんな届出を出せばいいのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。今回はそんな税務関連の届出についてわかりやすく解説していきます。

提出書類はいくつかありますが、節税などにも影響するため、忘れないで出しておくようにしましょう。

目次

1.必要な届出(税務署)

 ①法人設立届

 ②青色申告の承認申請書

 ③給与支払事務所等の開設届出書

2.会社によっては必要となる届出

3.提出方法

4.地方自治体へ届出が必要なもの

5.まとめ

1.必要な届出(税務署)

まず、法人を設立したら税務署に届け出る必要がある書類は3つあります。②青色申告の承認申請書については厳密には任意ですが、届け出る方が大半でしょう。

①法人設立届

②青色申告の承認申請書(*任意ですが、届け出る方が大半)

③給与支払事務所等の開設届出書

それぞれ内容や期限について詳しく見ていきましょう。

法人設立届

設立した会社の概要を税務署に届け出るための書類です。会社の定款の写しをあわせて届け出る必要があります。

期限は、法人設立の日以後2か月以内です。

[国税庁HP]

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_2.htm

青色申告の承認申請書

法人税の青色申告のために必要な届出です。

青色申告は義務ではありませんが、節税面でのメリットが大きいため青色申告される方が大半かと思います。

期限は、設立の日以後3か月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日となっています。設立後すぐに事業年度末とされる方は少ないと思いますので、設立後3か月以内に提出することになる方が多いでしょう。特に初年度は届出を忘れやすいので、期限内に忘れずに提出しておきましょう。

[国税庁HP]

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_14.htm

給与支払事務所等の開設届出書

給与等の支払がある会社を設立した場合に税務署へ提出する届出書です。そのため、役員報酬を設定せず、従業員も雇っていない場合は、提出は不要です。一般的には役員報酬等を設定される方が多いと思いますので、忘れずに提出しておきましょう。

期限は、役員報酬や給与を支給する事務所を開設してから1か月以内です。

[国税庁HP]

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_11.htm

2.会社によっては必要となる届出

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税は、原則として徴収した日の翌月10日が納期限となっています。この申請は、給与の支給人員が常時10人未満である場合に、給与等について源泉徴収をした所得税等について年2回にまとめて納付できるという特例制度を受けるために行うものです。この届出をしない場合は、毎月源泉所得税の納付が必要になります。こちらの申請をしておくことで、毎月の事務作業がかなり減ることになりますので、届出を出しておくことをおすすめします。

期限の定めはありませんが、原則として、提出した日の翌月に支払う給与等から適用されます。最初から特例の適用を受けたい場合は、最初の給与等の支払いの前には申請しておきましょう。

[国税庁HP]

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_14.htm

その他

減価償却資産の償却方法の届出書、棚卸資産の評価方法の届出書等があります。こちらも必要な方は提出しておきましょう。

また、機械装置を買ったり店舗を借りたり等、設立時に多額の設備投資がある場合には、「消費税課税事業者選択届出書」を出して消費税の課税事業者となることで還付を受けられる場合もあります。しかしながら、課税事業者になると原則2年間は免税事業者に戻れない等の決まりもありますので、税理士等に相談して決めるとよいでしょう。

3.提出方法

提出方法は、書面での提出(郵送または窓口への持参)か、電子申請が可能です。

4.地方自治体へ届出が必要なもの

法人設立届

上記の税務署へ提出する法人設立届と同様に、地方自治体へ設立届を提出する必要があります。都道府県及び市町村で合計2部、東京23区であればまとめて1部(区役所へ提出は不要)です。

定款の写しと、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)の写しが必要です。上記①で解説した税務署への設立届出書には「登記事項証明書」の添付は不要ですが、地方自治体への設立届には添付する必要があります。

期限は、事業を開始した日から15日以内です(東京都の場合)。

[東京都のURL]

https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/scene/index05.html#L3

5.まとめ

・税務署へは、法人設立届出書、青色申告の承認申請書等を提出する必要がある

・法人設立届出書は、地方自治体へも提出が必要。その際は添付資料を忘れない

・源泉所得税の納期の特例の承認申請書は任意ですが、提出することで毎月の事務作業が減るためおすすめ

・期限が決まっているので、特に青色申告等は忘れずに提出が必要

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