アプリ・システム開発ならものづくり補助金がおすすめ!申請のポイントをわかりやすく解説

こんにちは。公認会計士・税理士の中明です。アプリ・システム開発を検討している方の中には、開発に補助金を利用したいけれど、よくわからないといった方も多いのではないでしょうか。アプリ開発に使える大型補助金なら、ものづくり補助金がおすすめです。今回はこの、ものづくり補助金について申請のポイントや注意点をわかりやすく解説していきます。

目次

①そもそも「ものづくり補助金」とは?

②対象者や補助金の上限額は?

③アプリ開発の採択事例

④アプリ・システム開発の申請時のポイント

⑤まとめ

①そもそも「ものづくり補助金」とは?

中小企業が新商品開発等の設備投資を行う際に使用できる大型の補助金です。また「ものづくり」という名称ですが、製造業以外でも幅広い業種で申し込むことができます。

https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html

②対象者や補助金の上限額は?

中小企業等が対象となっており、補助金の上限額は従業員数によって変わります。システム・アプリ開発では通常枠やデジタル枠で申請することが考えられますが、その場合の補助金額は最大1,250万円です。また補助率は1/2もしくは2/3となっています。

上記の通り、中小企業がアプリ開発等で利用できる補助金の中ではかなり大型の補助金となっています。設備投資を予定している方は、ぜひ一度ものづくり補助金を利用することを検討してみるとよいでしょう。また、創業後間もない企業でも補助金申請が可能です。

③アプリ開発の採択事例

アプリ開発にかかる事業は、直近3回分の申請で10次では43件、11次では35件、12次で27と数多く採択されています。(筆者が採択結果のうちアプリ開発に関連する事業を独自にピックアップ)

12次では以下のような事業計画が採択されています。アプリの内容は、教材、民泊やヘルスケア等多岐にわたっており、様々なアプリ開発で補助金を利用できます。

<アプリ開発の採択事例>

・産学連携等を活用した小中学生向けタブレット用WEBアプリ教材の開発

・自社製アプリと自動スケール導入による代理購入事業の工程効率化

・自衛隊のノウハウと最先端IT技術を用いたヘルスケアアプリ開発

・クリエイターの売上向上アプリケーション開発による業務改善・売上改善施策

・iPhoneから取得した心音データを解析するヘルスケアアプリの開発

・ピラティスアプリの開発と販路拡⼤

・民泊施設&テレワーカーのAI機能搭載マッチングアプリ開発事業

・EC購入時にカーボン・オフセットを実現するアプリケーション開発

・DXを活用したアプリの開発によるARライブファッションサービスの提供

④アプリ・システム開発の申請時のポイント

アプリ開発等を検討される方におすすめのものづくり補助金ですが、申請時にはいくつか気を付けるべきポイントがあります。

・革新性がある開発か?

補助対象となるには単なるシステム・アプリ開発ではなく、革新性が求められます。「革新性」というと少々わかりづらいですが、今までになかったサービスを提供する、他社にはないサービスを提供するといった要素が大きいほど採択される可能性が高くなるということです。

・補助対象となる経費に注意

社内の人件費については補助対象外となっています。そのためアプリ開発を完全に自社内で行う場合は補助対象外です。

一方で、開発を外注する場合や追加のクラウドサービス利用料等は補助対象となります。例えば自社で要件定義部分は行い、開発部分について外注する場合は、その外注する開発部分について補助対象となります。システム開発やアプリ開発で、開発を外部へ委託することを予定している方は補助金を利用しやすいといえるでしょう。

以下のような経費が補助対象となっています。

monohojo_keihi

ものづくり補助金総合サイト「公募要領(概要版)」より

https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html

・スケジュールが決まっている

補助対象となる設備投資や経費は、定められた期間(補助事業実施期間)内に発生したもののみです。そのため、今すぐ開発を行いたい場合は補助金を利用できません。申請後約3か月後から開始する開発が補助対象となります。

・補助金は後払い

また補助金は後払いであることにも注意が必要です。実際にアプリ開発を行い、その結果を国に報告した後に補助金が支払われるため、開発にかかる費用をまずは自社で負担する必要があります。大きな開発を行う場合は、自己資金や借り入れなどでしっかり資金を用意しておきましょう。

その他、ものづくり補助金の採択率を上げるためには、加点項目を取得しておくことが重要です。加点項目については、こちらのコラムで詳しく解説しています。

⑤まとめ

システム開発やアプリ開発に利用できる補助金ならものづくり補助金がおすすめ

中小企業等が利用でき、補助金額は最大1,250万円

社内の人件費は対象とならず、外注費やクラウドサービス利用料が補助対象となる

補助対象となる期間が決まっている点や、補助金は後払いである点については注意が必要

清澄会計事務所では、中小企業の補助金申請を全面サポートしております。補助金申請が初めての方、事業計画書の作成でお困りの方など、お気軽にご相談ください。