小規模企業共済とiDeCo、入るならどっちがおすすめ?税理士がポイントをざっくり解説

こんにちは。公認会計士・税理士の中明です。

前回の小規模企業共済の解説に続けて、今回は小規模企業共済とiDeCo (イデコ)を比べるとどんな違いがあるのか、どっちがいいのか解説していこうと思います。

ちなみに結論からいうと、僕は小規模企業共済がおすすめです。

さて、それではそれぞれ見ていきましょう!

①小規模企業共済とiDeCoってそもそも何?

②ざっくり比べてみた

③重要ポイントは?

④どっちがおすすめ?

⑤まとめ

①小規模企業共済とiDeCoってそもそも何?

そもそもどういう制度かイメージがついていない方向けに小規模企業共済(以下、共済)とiDeCoを簡単に説明すると、共済は個人で積み立てて国の機関が運用してくれる退職金、iDeCoは自分で積立てて自分で運用する年金制度です。

どちらも掛金の全額が所得控除になるため、節税メリットを得ながら老後資金を積み立てれると人気です。

それぞれ詳細とHPは以下の通りです。

小規模企業共済

国の機関の中小機構が運営する、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための退職金制度です。

https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/index.html

iDeCo

る国民年金基金連合会が運営する、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度の1つです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/ideco.html#h2_1

②ざっくり比べてみた

共済とiDeCoについて表にまとめて比較してみました。

ちなみにiDeCoはサラリーマンでも入れますが、ここでは自分で事業をやっている人向けの部分を抜粋してます。

節税効果や月の掛金額が選べる点は同じ運用方法やiDeCoは途中解約が不可といった点で違いがあります。

項目小規模企業共済iDeCo (個人事業主等向け)
掛金(月額)1,000円~70,000円個人事業主:5,000円~68,000円
会社経営者や役員:5,000円~23,000円
運用方法や利回り中小機構が運用
平均利回りは1%~2%程度
自分で運用
元本割れリスク基本的になし
*20年未満で任意解約の場合は元本割れリスクあり
リスクあり
手数料なしあり
口座開設時や毎月の手数料等がかかる
節税効果掛金全額が所得控除される同左
途中解約可能不可
貸付制度ありなし

③重要なポイントは?

さきほどの表の通り、運用方法と途中解約の可否が大きな違いです。

運用方法

共済の平均利回りは1%~2%程度、iDeCoは主に国債やインデックス投資ですが、株価が足元好調なので利回りにかなり違いがでそうです。ただこれは景気によって大きく変動しますし、iDeCoは途中で景気が悪くなっても解約できないので、長期的な視点で考える必要があると思います。

https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/status

途中解約できない

iDeCoの途中解約はかなりハードルが高いので、基本的に解約できないと思っておいた方がいいです。これはかなり大きなデメリットですね。

一方で、共済は20年未満だと元本割れしますが、途中で解約することができます。

④どっちがおすすめか

個人的には小規模企業共済がおすすめです。足元の相場を考えるとiDeCoは共済より高い利回りが期待できそうな点はメリットですが、途中解約ができない点がかなり厳しいです。

個人事業主等で長く経営していると、業績の浮き沈み等で急に大きめのお金が必要なることが起こりうるので、あくまで長期的な蓄えとして、節税効果を得ながら多少の安定利回りを期待できる共済が良いかなと思います。

また、資金繰りが安定している業種であれば、iDeCoもありだと思います。ただし景気によっては元本割れのリスクがある点は注意が必要です。あくまで老後の蓄えのための制度なので長い目で見るようにしましょう

また併用もできるので、半々などカスタマイズしてみるのもいいでしょう。

⑤まとめ

今回は小規模企業共済とiDeCoを比較してみました。

どちらも少額から始めることができるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。