資金繰り表とは?作成のメリットと作り方のポイントを税理士が分かりやすく解説

こんにちは。江東区で税理士をしている中明です。普段は江東区を中心に創業支援やフリーランス・個人事業主の税金周りのサポートを行っています。

今回は資金繰り表について解説します。特に創業初期や大きな設備投資を行う際には、資金がどれくらい必要なのか、今後の入出金や将来の資金状況を把握するために、資金繰り表を作成することが重要です。「事業のお金をきちんと管理するために資金繰り表を作った方がいいよ」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。手元の資金をしっかり管理することで、安定した経営の土台を築けます。今回は、そんな資金繰り表のメリットと作り方のポイントについて、分かりやすく解説していきます。

目次

1. 資金繰り表とは?

2. 資金繰り表を作成するメリット

 ①資金ショートの防止

 ②設備投資などの経営判断

 ③コスト管理

3. 創業初期に資金繰り表を作成する理由

4. 資金繰り表の作り方のポイント

 ①資金繰り表のテンプレート

 作成のポイント

5. まとめ

1. 資金繰り表とは?

資金繰り表とは、事業のお金の流れを一目で把握できるようにするための表です。具体的には、入金と出金の金額やタイミングを一覧化し、将来の資金不足や余剰を予測することができます。例えば、4月に開業して最初に100万円の資金があり、5月には50万円の売上と20万円の水道光熱費などの経費が発生した場合、5月末には130万円の資金が残る、という内容を半年~1年程度の期間分エクセルなどにまとめます。

以下は資金繰り表の例です。日本政策金融公庫のHPから無料でダウンロードすることができます。この表に売上や経費の金額を埋めていくことで資金繰り表を作成できます。

cash_flow_table

[日本政策金融公庫 経営計画策定に役立つ各種資料について]

https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_chusho.html

2. 資金繰り表を作成するメリット

資金繰り表を作成することには、以下のような多くのメリットがあります。

資金ショートの防止

入金と出金の金額とタイミングを把握することで、将来の資金不足が予測できます。これによって融資の要否やタイミングなどを把握することができます。

設備投資などの経営判断

今後発生する入出金など、資金の状況が明確であれば、大きな設備投資が必要になったとき、設備投資をしても手元の資金がなくならないか融資でいくら借りればいいかなどが明確になります。

コスト管理

資金繰り表を作成することで、払っている経費を網羅的に把握することができます。例えば、もう使っていないサブスクのサービスなど不要なコストを発見し、コスト削減しやすくなります。

3. 創業初期に資金繰り表を作成する理由

開業時や創業初期は特に資金繰りが重要です。この時期は売上が不安定で、予想外の支出が発生しやすいため、資金不足になるリスクが高いからです。資金繰り表を作成することで、事業が安定するまでの資金計画を立て、資金ショートを未然に防ぐことが可能です。

さらに、創業融資を受ける際にも資金繰り表は不可欠です。日本政策金融公庫などの金融機関から融資を受ける際には、資金繰り表が必要になります。

創業融資については、こちらのコラムで詳しく解説しています。

また、資金繰り表を作ることで、開業時の初期投資に必要な支出をもれなく把握できるため、見落としを防ぐことができます。例えば、設備費や保証金、広告費など、開業時に必要なコストを整理し、どれくらいの資金を準備する必要があるか確認できるので、安心して事業をスタートさせることができます。

4. 資金繰り表の作り方のポイント

資金繰り表のテンプレート

日本政策金融公庫のHPに資金繰り表の無料テンプレートがあるので、こちらのサイトからダウンロードして作ってみるといいでしょう。簡易版と詳細版がありますが、どちらでも問題ありません。

cash_flow_table

[日本政策金融公庫 経営計画策定に役立つ各種資料について]

https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_chusho.html

②作成のポイント

・売上と経費の把握

決算書や事業用に使っている口座の明細などをもとに売上や経費の内容をざっくりと把握しましょう。創業の場合はそのような資料がないので、先ほどの公庫のテンプレートの内容をもとに今後かかりそうな経費を把握していってもいいでしょう。

・金額は一旦概算で

売上や経費の金額は、最初から細かく入れると負担が大きいので、まずは大まかに入力してみましょう。経費については少し多めの金額で見積もっておくと安心です。

全体感を把握した上で、金額の大きい給与や借入金の返済などについては、手直しするといったやり方がスムーズです。

・税金の支払いも忘れない

税金の支払いは毎月発生するものではないので忘れがちですが大きめの支出になるので、反映できるようであれば昨年度払った金額などでも一旦いいので、資金繰り表に含めるようにしましょう。フリーランスや個人事業主の年間の税金の支払いスケジュールについてはこちらのコラムで解説しています。

・現金ベースで作成する

会計上の取引ではなく、実際の現金の動きをベースに作成します。

5. まとめ

今回は資金繰り表について解説しました。資金繰り表は経営においてとても役立つツールです。特に創業初期には、創業融資を受ける際や資金ショートを防ぐためにとても効果的です。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

清澄会計事務所は江東区を中心に創業支援やフリーランス・個人事業主の税金周りのサポートを行っています。初回相談は無料です。お気軽にご相談ください。