法人の決算期は何月がいい?税理士がポイントを分かりやすく解説

こんにちは。江東区で税理士をしている中明です。

事業が順調に成長すると、法人化を考える方も多いでしょう。法人を設立する際には、決算期を決める必要があります。個人事業主は12月締めと決まっていますが、法人は決算月を自由に選ぶことができます。(特定の業種などは決まっている場合もあります)

しかしながら、決算期をよく考えないで決めてしまうと、後で事業運営や決算申告に大きな影響を与えてしまう可能性があります。今回は、そんな決算期を選ぶ際のポイントについて解説します。

目次

1.決算期の選択が重要な理由

2.事業のサイクルに合わせる

 ①閑散期に決算期を設定する理由

 ②事業のピーク前に決算期を設定する理由

3.税理士の繁忙期を避ける

4.新設法人における決算期の設定

5.決算期の変更も可能

6.まとめ

1.決算期の選択が重要な理由

通常、決算日から2か月以内に決算申告を行う必要があります。

そのため、決算期の月によって、決算申告や税理士への依頼のタイミングが影響を受けます。適切な決算期を選ぶことで、スムーズな事業運営が可能になります。

2.事業のサイクルに合わせる

まず、①事業の閑散期や②事業のピーク前の月に決算期を設定することが考えられます。

①閑散期に設定する理由

決算では書類をまとめる必要がありますが、特に自計化している場合には、繁忙期だと手が回らないといったケースも多いです。月次の記帳なら、後回しにしても対応できますが、決算では繁忙期でも記帳が必要です。閑散期を決算に設定することで、余裕をもって決算に挑むことができます

②事業のピーク前の時期に決算期を設定する理由

ピーク前の時期に決算期を設定することで、事業年度の上期にある程度今年の売上見込み等が分かるようになります。年間の売上や利益の見込みが早いタイミングで見えるようになるので、下期にかけて、設備投資の時期や節税対策をじっくり検討することができます

3.税理士の繁忙期を避ける

日本では3月決算の会社が多いですが、安易に3月を選ぶことはお勧めしません。

3月決算の会社が多いということは、申告の代理を行う税理士にとっても繁忙期となります。

特に、小規模な会社や新規設立企業は3月決算を避けることで、税理士から丁寧な対応を受けやすくなり、また報酬も3月決算に比べて安くなる可能性が高いでしょう。

また、12月決算も、年末調整や年始の準備で税理士が同様に忙しくなりがちなので避けた方が無難でしょう。

逆に4月から6月の時期は税理士の繁忙期を避けられるため、この時期を決算月にすると、税理士を選びやすくなり、より手厚い対応が期待できます。

4.新設法人における決算期の設定

新設法人の場合、決算期を設立後すぐに設定してしまうと、法人設立の手続きと決算の手続きが連続してしまいとても忙しくなります

また、個人事業主の時は自分で申告していた方も、法人税申告は税理士に依頼するケースが多いでしょう。申告直前に税理士を探しても、見つからない可能性があります。設立から半年程度はあけておくと、余裕をもって決算に挑めるでしょう。

5.決算期の変更も可能

もし既に決算期を設定している場合でも、事業運営に合わせて決算期を変更することは可能です。ただし、税務署への届出が必要であり、また変更のタイミングや影響を考慮することが求められます。

[国税HP 異動届]

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_5.htm

6.まとめ

・事業のサイクルに合わせて決める

・3月や12月は避けるのが無難

・新設法人の場合は、設立後すぐの決算は避けた方が良い

・決算期はあとで変更も可能

今回は決算月を決める時のポイントについて解説しました。決算期を決める際はぜひ参考になさってください。

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