税理士への依頼は、顧問契約とスポット契約のどちらがよい?メリット・デメリットをわかりやすく解説!

こんにちは。江東区で税理士をしている中明です。

9月に入り、そろそろ今年分の確定申告について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。税理士へ確定申告を依頼する場合、依頼方法には①顧問契約②決算申告のみのスポット契約、の大きく2種類があります。

今回は、顧問契約とスポット契約のどちらを選べばよいかお悩みの方向けに、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

目次

1.そもそも顧問契約、スポット契約(決算申告のみ)とは?

 ① 顧問契約

 ② スポット契約(決算申告のみ)

2.それぞれのメリット・デメリットは?(比較表)

3.メリット・デメリットを詳しく解説

 ①記帳代行

 ②専門的な相談

 ③税務調査

 ④コスト

4.まとめ

1.そもそも顧問契約、スポット契約(決算申告のみ)とは?

まず、顧問契約とスポット契約の大まかな内容を解説します。

① 顧問契約
顧問契約では、記帳代行や普段の税金に関する相談などについて継続的なサポートを受けられます。税金に関する様々な事柄をまとめて依頼できることがメリットですが、コスト(顧問料)はスポット契約より高くなる場合が多いです。

② スポット契約(決算申告のみ)
スポット契約では、決算申告に限って税理士に依頼します。通常、申告書の作成と提出のみがサポートの内容で、日々の記帳や税務相談は含まれません。税務調査に関しても、対象外や別料金となるケースが多いです。

2.それぞれのメリット・デメリットは?(比較表)

以下の表で、顧問契約とスポット契約の内容を比較してみました。

項目顧問契約スポット契約(申告だけ)
①記帳代行日々の経理サポートが含まれることが多い通常含まれない、自分で記帳が必要
②専門的な相談常に経営や税務の相談が可能別料金、または対応不可な場合あり
③税務調査の対応通常、税務調査時の立ち会いや事前準備も対応別契約、別料金となることが多い
④コスト毎月固定の費用が発生決算申告分の支払いで済むため、 費用を抑えられることが多い

3.メリット・デメリットを詳しく解説

先ほどの比較表の項目についてそれぞれ詳しく解説します。

①記帳代行

顧問契約: 日々の仕訳といった経理業務を税理士が代行してくれるため、記帳に時間を取られず自分の事業に集中することができます。

スポット契約:経理業務はサービスに含まれない場合が多く、自分で記帳をする必要があります。

その他のポイント:

顧問契約でも自分で記帳をする(記帳代行を選ばない)ことで、記帳代行分のコストを下げられる場合があります。

スポット契約の場合、記帳ができていないと、決算間際で税理士に依頼しても断られるケースがあります。例えば、フリーランスや個人事業主であれば、遅くても12月頃には依頼することをお勧めします。

専門的な相談

顧問契約:日々の記帳や経営状況などを把握しているため、自社にあった提案をしてくれる場合が多いです。また法人の場合は年間を通じて様々な手続きがありますが、わからないときに相談することができます。

スポット契約:上記のような期中の手続きは自分で行う必要があります。最近はネットの記事などでもかなり詳しく解説しているものがあるので、自分で調べたり、もしくは窓口に問い合わせたりするのが苦でない人はスポット契約で問題ないかもしれません。

その他のポイント:

節税対策は、期末間際や期末後にできるものが限られています。また期中の処理ミスも期末後では対応が難しくなるケースも多いです。節税対策がしたい、期中の処理などに不安がある方は、顧問契約をお勧めします。逆に、節税対策は特に不要、取引も毎年特に変わらない、といった場合はスポット契約で決算申告のみで問題ないかもしれません。

税務調査

顧問契約:顧問の税理士が税務署とのやり取りや調査の立ち会いなどを行ってくれます。

スポット契約:税務調査の対応は契約に含まれていない場合が多いです。そのため、自分で税務署とのやり取りや調査の対応をするか、決算申告をした税理士や他の税理士に依頼することになります。

その他のポイント:

別契約になると結果的に料金が割高になることや、予定が合わず受けてもらえないことも考えられます。顧問契約の場合は、事業などをよく知っている税理士が対応してくれるので、安心です。そのため、顧問料には保険的な意味合いがあるとも言えるでしょう。

コスト

顧問契約:基本的にスポット契約より高くなります。

スポット契約:必要なタイミングだけ依頼するため、コストをおさえることができます。

その他のポイント:

顧問契約には、前述の通りスポット契約にはないサービスが含まれているため、料金は高くなりがちです。税理士によっては、記帳代行を省略するなど、サービス内容を絞って顧問料を抑えたプランを提供している場合もあります。

できるだけコストを下げたい方は、スポット契約の他に、税務署の確定申告会なども検討されるとよいと思います。

4.まとめ

顧問契約とスポット契約には、それぞれにメリットとデメリットがあり、ご自身の事業の状況や事業の規模感、ニーズによってどちらを選ぶべきか変わってきます。どちらが自分に適しているかを慎重に検討し、判断されるとよいでしょう。

税理士と実際に面談し、顧問契約とスポット契約のどちらが自分に合ってるか聞いてみるのもよいかと思います。

清澄会計事務所では、フリーランスや個人事業主の方向けに幅広いサービスを提供しています。お気軽にご相談ください。