利益が出ているのにお金が貯まらない?黒字倒産を防ぐ資金繰り改善法を税理士が分かりやすく解説

こんにちは。江東区で税理士をしている中明です。

経営者の方から、「先生、うちの会社は利益が出ているのに、なぜかお金が貯まらないんです…」というご相談を受けることがあります。利益が出ている会社なら、普通はお金がどんどん貯まっていくと思うかもしれませんが、実はそうとは限りません。黒字でも資金繰りに苦しむ、いわゆる「黒字倒産」は珍しくありません。

この記事では、利益が出ていても現金が残らない主な原因と、改善のためのポイントを税理士の視点でわかりやすく解説します。

目次

1.利益とお金の違いを理解しよう

2.借入の返済額が大きいケース

3.大きな設備投資や固定資産の取得を行った

4.在庫が多く残っているケース

5.事業に関係ないプライベートの出費が多いケース

6.お金を貯めやすくするためのポイント|資金繰り改善の解決法

 6-1. 資金繰り表を作成して現金の動きを見える化

 6-2. プライベート口座・クレジットカードと事業用をしっかり分ける

7.まとめ|迷ったらまずは相談から。初回無料です!

1.利益とお金の違いを理解しよう

利益は「収益-経費」で計算できます。利益が出ているのにお金が貯まらない原因は、経費にならない支払いが発生していることです。よくあるケースを具体的に見ていきましょう。

2.借入の返済額が大きいケース

最もよくあるのは、借入の返済額が大きいケースです。借入金の元金返済は経費になりませんが、毎月の返済額分だけ現金は減ります。

借入額が大きいほど返済負担も大きく、利益が出ていても預金残高が増えない状況が起こりやすくなります。

3.大きな設備投資や固定資産の取得を行ったケース

例えば、1,000万円の車を購入したとします。もちろん、車を購入したことでお金は出ていきますが、会計上はこの1,000万円がそのまま経費になるわけではありません。減価償却という考え方によって一定期間にわたって少しずつ経費として計上されます。たとえば5年で減価償却する場合、車を買った年に1,000万円現預金は減りますが、会計上は200万円しか経費になりません。

支払いは一度に発生しても、経費は少しずつ計上されるため、利益が残っているように見えても現金が減るのです。

4.在庫が多く残っているケース

仕入れ代金は支払った時点で現金が減りますが、在庫は売れるまで経費にはなりませんそのため、例えば決算期末付近で多額の仕入れを行い、在庫が残ったままだと支払だけ発生して経費が立たないため、利益が出ているのに資金繰りが苦しくなる原因になります。

5.事業に関係ないプライベートの出費が多いケース

個人事業主や1人会社で多いのがプライベート出費です。

個人事業主や1人会社によく見られるケースです。プライベートの出費が多いと、当然ながら経費にはなりません。そのため、利益がいくら出ていても、それを上回るプライベートの出費があればお金は貯まりません。個人事業主の方で、なぜ利益が出ているのにお金が貯まらないのか疑問に思う方は、一度ご自身の出費を精査してみるとよいでしょう。

6.お金を貯めやすくするためのポイント|資金繰り改善の解決法

ここまで利益が出ているのにお金が貯まらないときによくある理由について解説しました。利益が出ているのにお金が残らない場合は、原因を把握したうえで資金繰りを改善する仕組みづくりが大切です。具体的には次のような方法があります。

6-1. 資金繰り表を作成して現金の動きを見える化

利益や税金は管理できていても、現金の出入りを把握していない経営者は少なくありません
資金繰り表を作れば、借入返済・設備投資・在庫・プライベート支出などの影響が一目で分かります。
黒字倒産を防ぐためにも、資金繰り表の作成は早めに取り入れましょう。

資金繰り表の作り方とポイントを詳しく解説

6-2. プライベート口座・クレジットカードと事業用をしっかり分ける

プライベートの支出と事業の支出が混在していると、資金繰り表を正確に作成できません。
まずは事業用の銀行口座やクレジットカードと、プライベートのものをきちんと分けることから始めましょう。意外とこの基本ができていない方が少なくありません。

プライベート支出が混ざってしまうデメリット

  • 自分の事業が今どんな状況なのかが正確に把握しづらい
  • 決算時の記帳の手間が増える

銀行口座やクレジットカードを事業用に一本化するメリット

  • 現金の流れをすぐに把握できる
  • 記帳や経理の負担を大幅に減らせる

これらの対策を行うことで、資金管理が格段にしやすくなります

事業用口座のメリットとポイントを詳しく解説

7.まとめ|迷ったらまずは相談から。初回無料です!

利益が出ているのにお金が貯まらない原因の多くは、「経費にならない支出」が発生していることにあります。借入返済や設備投資、プライベート出費などを把握し、資金繰り表を活用して現金の動きを見える化することが大切です。利益だけでなく「お金の流れ」も意識した経営を心がけましょう。

また経理や税務でよくわからない点があれば、お金の専門家の税理士に相談してみてもよいでしょう。

税理士に相談するタイミングは人それぞれですが、一度相談しておくと、後々のリスクを防げます

忙しいあなたの代わりに「経理と税務の安心」を提供するのが税理士の仕事です。

清澄会計事務所では、個人事業主・中小企業向けに幅広くサービスを提供しております。お気軽にご相談ください。

Investment Concept Business Finance  - Nature_Design / Pixabay

お気軽にご相談ください

30代の若手税理士がわかりやすく親身に対応いたします。
LINEからのご連絡も受け付けております。

LINE
弊事務所のプライバシーポリシーはこちらからご確認いただけます。