【江東区】Webエンジニア・デザイナー開業ガイド|フリーランスの記帳と経費管理のポイント(記帳編)
▼シリーズ第1弾(開業編)はこちら 【江東区】Webエンジニア・デザイナー開業ガイド|独立前に知っておくべき税金と失敗ポイント(開業編)
こんにちは。江東区で税理士をしている中明(なかあき)です。
前回の記事では、独立する際に知っておきたい青色申告やインボイス登録、よくある失敗ポイントについて解説しました。
今回はその続きとして、開業後に必要になる「記帳(経理)」や税金のポイントについて解説します。
Web系フリーランスの経理は、飲食業などと比べると比較的シンプルです。
ただし、最初の記帳や申告を間違えると、損をしてしまったり、後から修正が大変になることもあります。
江東区で実際にご相談いただくことが多い内容をもとに、記帳のポイントをまとめました。
目次
1.クラウド会計ソフトを使う人が多い
最近は、フリーランスの方の多くがクラウド会計ソフトを利用しています。
代表的なものとしては
- freee
- マネーフォワード
- 弥生会計
などがあります。
最近の会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携することで、取引データを自動で取り込み、仕訳を作成することができます。また、前編でもお話した通り、請求書の発行ツールなどもついてきたりと、記帳や事務作業の手間を大幅に減らすことができます。
ただし、完全に自動で記帳が終わるわけではありません。
勘定科目の設定や仕訳の内容が間違っていると、そのまま誤った申告書が出来上がってしまうこともあります。クラウド会計は便利ですが、初期設定や基本的な仕組みは理解しておくことが大切です。
2.源泉徴収がある場合の記帳
Webデザイナーなどの仕事では、報酬から源泉徴収されるケースがあります。
この場合、記帳で注意したいのは
売上は入金額ではなく、源泉徴収前の金額で計上するという点です。
という点です。
例えば
請求書
100,000円
源泉徴収
10,210円
入金額
89,790円
この場合、売上は 100,000円 で計上します。
源泉徴収された10,210円は、確定申告の際に精算される税金となります。
入金額で売上を記帳してしまうと、売上が少なく計上されてしまうため注意しましょう。
3.支払調書とは?合わない、届かないときは?
源泉徴収がある取引の場合、年明けに取引先から支払調書が送られてくることがあります。
ここでよくある相談が、「支払調書が届かない」、「支払調書の金額と、自分で集計した売上の金額が合わない」というものです。
実はこれは珍しいことではありません。
支払調書はあくまで取引先が作成する資料であり、確定申告では自分の帳簿を基準に申告します。
そのため、支払調書の金額と必ずしも一致するとは限りません。
支払調書の扱いや、金額が合わない理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。
支払調書が届かない・合わない時は?フリーランスの確定申告と青色申告の注意点を税理士が解説
4.外注費を払う場合の源泉徴収
Web制作やデザインの仕事では、一部の作業を外注するケースもあるでしょう。
このとき、「外注費を払う場合は源泉徴収が必要ですか?」という質問をよくいただきます。
結論からいうと、個人事業主の場合、多くのケースでは外注費について源泉徴収は不要です。
個人事業主でも、従業員や青色事業専従者などに給与を支払っている場合は、源泉徴収義務者となります。この場合、仕事内容によっては外注費についても源泉徴収が必要になることがあります。
一方で、従業員や専従者などに給与を支払っていない個人事業主の場合、源泉徴収を行う必要はないケースが多いです。
また、源泉徴収が必要な仕事の例としては、例えば次のようなものがあります。(※なお、源泉徴収の対象となる報酬・料金は法律で定められています。)
- デザイン
- イラスト制作
- 原稿執筆
ただし、Web制作の外注は「デザイン」「コーディング」「制作一式」など仕事内容によって扱いが変わることもあり、判断が少し難しい場合があります。
外注が増えてきた場合は、「自分の場合は源泉徴収が必要なのか」を一度税理士に確認しておくと安心です。
[国税HP No.2502 源泉徴収義務者とは]
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2502.htm
5.海外サービスの経費
Webエンジニア・デザイナーの方からよくある質問として、「海外のサービスでも経費になりますか?」というものがあります。
例えば
- Adobe
- ChatGPT
- AWS
- GitHub
など、海外企業のサービスを利用しているケースも多いでしょう。
結論として、事業に必要なものであれば海外サービスでも経費になります。
多くの場合はクレジットカードで支払うことになるため、事業用クレジットカードで決済すると記帳が楽になります。
6.開業費と家事按分で節税を
開業したばかりの方からは、「開業前に買ったものは経費になりますか?」という質問もよくあります。
開業準備のために使った費用は、開業費として計上できる場合があります。
例えば
・10万円以下の備品や消耗品(買い切りのソフトなど)
・web系の専門書籍
・打ち合わせの交通費
などです。
また、自宅で仕事をしている場合は、家賃や光熱費の一部を経費にすることができる家事按分も検討できます。
開業1年目は、このあたりの処理で迷う方も多いです。詳しくは、こちらの記事でも解説しています。
【江東区】個人事業主の確定申告|相談先と1年目の注意点を税理士が解説
7.消費税は簡易課税を検討するケースも
Web系のフリーランスは、比較的経費が少ない業種です。
そのため、売上が増えて消費税の課税事業者になった場合、簡易課税を選択した方が有利になるケースもあります。
簡易課税では、業種ごとに定められた「みなし仕入率」を使って消費税を計算します。
Web制作やデザイン業の場合、みなし仕入率は50%です。
なお現在は、インボイス制度開始に伴い 「2割特例」 という制度が設けられています。この制度が使える場合は、2割特例が有利になるケースが多いです。
ただし、売上状況などによってはこの特例が適用できないケースもあります。このあたりの判断は難しいので、税理士に一度確認しておくと安心です。
インボイス登録や2割特例について詳しく知りたい方は、こちらのコラムもお勧めです。
インボイス登録した方は消費税も忘れずに!2割特例などを分かりやすく解説
8.王道の節税策(共済・iDeCo・経営セーフティ)
売上が増えてきた場合、節税策としてよく利用される制度もあります。
代表的なものが
- 小規模企業共済
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 経営セーフティ共済
です。
小規模企業共済は、掛金が全額所得控除になる制度です。
iDeCoは掛金が同じく所得控除の対象となる制度で、将来の資産形成をしながら税負担を抑えることができます。
また、経営セーフティ共済は、掛金を経費(損金)として計上できる制度で、資金繰り対策としても利用されることがあります。
これらはフリーランスの方が利用するケースが多い、いわゆる王道の節税制度です。
それぞれコラムで詳しく解説しています。
知らないと損!小規模企業共済とiDeCoのメリット・デメリットを徹底比較。税理士がポイントを分かりやすく解説
【スマホで完結】小規模企業共済のオンライン申込手順①(準備・マイナンバー編)|税理士が実際の画面で解説
【倒産防止共済】経営セーフティ共済は入るべき?メリット・デメリットと解約の注意点を税理士が解説
9.まとめ|仕組みを整えて本業に集中できる環境を!
Webエンジニア・デザイナーの仕事は、他の業種と比べると経理の構造は比較的シンプルです。
ただし
- 源泉徴収の処理
- 消費税
- 節税対策
など、最初に理解しておきたいポイントもあります。
基本を押さえておくことで、後から慌てることなく本業に集中できる環境を整えることができます。
江東区でこれからWebエンジニア・Webデザイナーとして独立される方や、「自分の場合の記帳方法や税金の扱いを一度整理しておきたい」という方は、お気軽にご相談ください。
開業時の手続きや、クラウド会計の初期設定、インボイスや消費税の判断なども含めてサポートします。
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