【江東区】美容室・サロンの開業の流れとやること一覧(後編)|手続き・税務・FC加盟等
▼ 前編はこちら:【江東区】美容室・サロンの開業の流れとやること一覧(前編)|資金・物件編
こんにちは。江東区で税理士をしている中明(なかあき)です。
後編では、開業届などの行政手続き、税務・経理の準備、そしてフランチャイズや人に関わる業態別ポイントを解説します。スケジュール表と照らし合わせながら、チェックリストとしてご活用ください。
| 項目 | 1年〜半年前 | 半年〜3か月前 | 3か月〜2週間前 | 2週間前〜 オープン前日 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| コンセプト ・集客 | ・コンセプトづくり (ターゲット・客単価・立地の方向性) | ・メニューや営業時間、集客方法の具体化 | ・SNS・ホットペッパービューティー・Googleマップなど準備 ・プレオープンの準備・告知 | ・プレオープン実施 ・結果振り返り ・Googleマップ公開 | ・副業か専業かなど ・資金繰りシミュレーターもおすすめ ・ホットペッパービューティーやGoogleマップ登録は反映まで時間がかかるので早めに準備を |
| 資金・計画 | ・事業計画書の作成 (江東区役所の創業相談も活用) ・創業融資の準備・金融機関へ相談 (公庫・ひがしん等) | ・創業融資面談 | ・審査結果通知・申込 | ・資金繰り見直し・最終チェック | ・融資審査は1〜2か月(自分でやると平均3か月とも) ・運転資金は3〜6か月分確保したい ・内装の追加工事や遅延がある場合は資金繰りを見直す |
| 物件 | ・不動産屋へ相談・店舗探し | ・店舗契約・内装業者選定 | ・水道・ガス・電気・ネット回線などの申込 | — | ・居抜き+軽い内装工事でスモールスタート推奨 ・スケルトンは解体コストにも注意(数百万円規模も) ・融資承認後に本契約が理想。ただし良い物件は早い者勝ちのため融資審査と並行して動くことも多い |
| 機器・什器 | — | ・美容機器や美容ディーラーなどの見積もり・選定 | ・美容機器・什器準備 ・POSレジ・キャッシュレス決済導入 | ・シャンプー・カラー剤等の材料・消耗品の調達 | ・レジ回りはオープン前の試運転を忘れずに |
| 行政手続き | — | ・保健所(東陽町)へ事前相談 ※着工前に必ず | ・美容所登録 ・開業届・青色申告承認申請書 | ・各種許可証の受け取り確認 | ・美容所登録は営業開始の10日前までが一般的 ・常時2名以上の美容師が勤務する場合は管理美容師も必要 ・税務署は管轄に注意(江東西・住吉 or 江東東・亀戸) ・消防署への届出は内装業者に相談 ・サラリーマンからの開業は国保・国民年金の切替も |
| 税務・経理 | — | ・税理士への相談 | ・事業用口座・クレジットカード開設 | ・売上や現金などの管理方法の確認・整備 | ・税理士には簡単でよいので早めに相談を ・口座は必ずプライベートと分ける |
| 採用・研修 (※該当者のみ) | — | ・スタッフ採用 | ・研修・オペレーションテスト | ・シフト最終確認 | ・雇用する場合は税務署・労基(亀戸)・ハロワ(木場)への届出も必要 |
※上記はあくまで参考・目安です。状況によって手続きの内容やスケジュールは異なります。行政手続きや社会保険等については、必要に応じて行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。記載の機関情報は変更となる場合があります。最新情報は各機関へご確認ください。
目次
1-2. 【着工前〜3か月前に事前相談】保健所への届出・美容所登録
2-1. 【開業前〜開業直後】事業用口座・クレジットカードの用意
1. 行政手続き
1-1. 【開業後1か月以内】開業届等
美容室・サロンを個人事業主として開業する場合、開業から1か月以内に税務署へ開業届を提出する必要があります。この時に、あわせて青色申告承認申請書も提出しておくことをおすすめします。青色申告にすることで、最大65万円の特別控除を受けられるなどのメリットがあります。
[フリーランス・個人事業主] 青色申告とは?3つのメリットと必要な手続きをわかりやすく解説!
江東区内の税務署の管轄は以下の通りです。住所によって管轄が変わるため注意が必要です。
- 江東西税務署(住吉):木場、清澄、住吉、富岡、等
- 江東東税務署(亀戸):大島、亀戸、南砂、等
[国税HP 東京都墨田区・江東区]
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/location/besshi/sumida-koto.htm
1-2. 【着工前〜3か月前に事前相談】保健所への届出・美容所登録
美容室・ヘアサロンを開業するには、保健所への美容所登録が必要です。管轄は江東区保健所(東陽町)です。
内装工事の着工前に事前相談しておきましょう。基準などを満たしているか着工前に確認しておかないと、工事後に改修が必要になるケースもあります。
また、スタッフの人数によっては管理美容師の資格が必要となる場合があります。管理美容師になるには、美容師免許の取得後3年以上の実務経験に加え、所定の講習を受ける必要があります。
[江東区HP 理容所・美容所に関する手続き]
https://www.city.koto.lg.jp/260403/fukushi/ese/kankyo/ribi_index.html
2. 税務・経理
2-1. 【開業前〜開業直後】事業用口座・クレジットカードの用意
開業したら、プライベートの口座とは別に事業用の口座とクレジットカードを必ず用意してください。
これを分けないでおくと、プライベートと経費がごちゃまぜになり、確定申告の手間が大幅に増えて後悔することになります。
[フリーランス・個人事業主] 開業したら、すぐに事業用の口座とクレジットカードをつくろう!
2-2. 【開業前に方針を決める】インボイス・消費税
インボイス登録をするかどうかも開業前に検討しておきましょう。ここは判断がとても難しいので、税理士に一度相談しておくと安心です。
【2026年10月から変更】インボイス登録は必要?フリーランス・個人事業主が考えるべき3つのポイントについて解説
2-3. 美容室・サロン特有の経理ポイント
チケット・回数券の前受金処理
回数券やコース前払いチケットを販売した場合、受け取った時点では売上ではなく「前受金」として処理するのが原則です。実際に施術を行った時点で売上に振り替えます。チケット販売を行う場合は、会計ソフトへの入力ルールを最初に決めておきましょう。
キャッシュレスの入金タイムラグに注意
クレジットカード決済は、売上が立っても実際の入金まで15〜30日のタイムラグがあります。キャッシュレス比率が高いと、売上はあるのに手元に現金がないという状態になりがちです。運転資金を多めに確保しておくことと、入金サイクルを考慮した資金繰り管理が重要です。
利益が出ているのにお金が貯まらない?黒字倒産を防ぐ資金繰り改善法を税理士が分かりやすく解説
3. 開業前に知らないと後悔するポイント
3-1. フランチャイズか独立開業か
カット専門店・まつエクサロン・リラクゼーションサロンなど、美容室・サロン業界はフランチャイズ(FC)展開が多い業態です。開業前に、FC加盟か独立開業かを慎重に検討しておきましょう。
FCのメリット
- ブランドの知名度と集客力を借りられるため、開業直後のスタートダッシュを切りやすい
- 研修・開業マニュアル・本部サポートがあり、業界未経験でも参入しやすい
- 本部提供の事業計画フォーマットがあり、融資審査が通りやすい傾向がある
FCの落とし穴
コスト面:
加盟金は初期費用として一括で経費にならず、数年かけての償却になるため、手元資金が想像以上に減ります。また毎月のロイヤリティは売上に応じて発生するものが多いため、利益が出なくても支払いが続きます。
ロイヤリティ負担により生活できる売上ラインが独立開業より高くなりやすく、薄利多売の構造になりがちです。結果として多店舗展開を迫られるケースが多いですが、店舗が増えると人の採用・管理・教育の負担が急増し、それが新たな経営課題になることもあります。
長期的な視点:
FC加盟で積み上がるのは自分のブランドではなく、本部のブランドです。独立当初の「自分のサロンを作りたい」という動機と、数年後の現実がズレてくるケースは少なくありません。
また、本部提供の事業計画をそのまま融資に使うと、実態に合わない売上計画になり、あとで軌道修正が難しい点も注意が必要です。
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FCが向いている人・向いていない人
FCが向いているのは、業界未経験で集客に自信がない方、早期に軌道に乗せたい方、多店舗展開・組織化を視野に入れている方です。
一方、すでに指名客・固定客がいる方(美容師からの独立など)、一人サロンでゆっくり育てたい方、自分のブランドを積み上げたい方には、独立開業の方が長期的に合っていることが多いです。
FCはスタートダッシュの強さが最大のメリットですが、長期的な目線も持った上で判断することをおすすめします。
3-2. スタッフ・人に関わるポイント
1人サロンか、スタッフを雇うか
1人サロンでスタートするか、最初からスタッフを雇うかで、必要な手続きと固定費の金額が大きく変わります。初めての開業であれば、まずは1人サロンでスタートして経営を安定させてから採用を検討するのが無難です。
スタッフを雇用する場合
雇用する場合は、税務署(住吉・亀戸)・労働基準監督署(亀戸)・ハローワーク(木場)への届出が必要です。給与計算・社会保険の手続きも発生するため、早めに社労士等の専門家に相談しておくとスムーズです。
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業務委託・面貸しスタッフの扱い
美容室では、雇用ではなく業務委託や面貸しでスタッフと契約するケースもあります。業務委託と雇用の区分が曖昧なまま運営すると、税務・労務の両面でリスクになることがあります。契約形態は開業前に社労士などの専門家に相談して、整理しておきましょう。
4. まとめ
前後編を通じて、美容室・サロンの開業の流れを解説しました。
行政手続きや資金計画は、知らないまま進めると後から大変になることがあります。特にFC加盟の判断や美容所登録の手続きは、早めに動き始めることが重要です。必要な届出等はしっかり確認して、専門家にも一度相談しておくと安心です。
当事務所では、江東区での美容室・サロン開業の税務サポートを行っています。開業前のご相談から確定申告まで、まずはお気軽にご連絡ください。
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