【江東区】パーソナルジムの開業の流れとやること一覧(前編)|資金・物件編
こんにちは。江東区で税理士をしている中明(なかあき)です。
豊洲や東陽町、門前仲町エリアを中心に、江東区でもパーソナルジムの開業は毎年増えています。パーソナルトレーナーとして経験を積んだ後に独立するケースが多く、ピラティス・ヨガスタジオなど業態も広がっています。
一方で、「内装費やマシンの費用がどのくらいかかるかわからない」「融資を使えるのか不安」という声も多く聞きます。
このコラムでは、パーソナルジムの開業を決めてからオープンするまでの流れを、実務で見てきた経験をもとに解説します。パーソナルジム・トレーニングスタジオ・ピラティス・ヨガスタジオなど、業態を問わず使えるチェックリストとしてもご活用ください。
前編では開業を決めてから物件契約までに何を、いつやるのかを解説します。まずは開業までの全体像をスケジュール表で確認してみましょう。
| 項目 | 1年〜半年前 | 半年〜3か月前 | 3か月〜2週間前 | 2週間前〜 オープン前日 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| コンセプト ・集客 | ・コンセプトづくり (ターゲット・客単価・立地の方向性) | ・メニューや営業時間、集客方法の具体化 | ・SNS・Instagram・LINE公式アカウントの開設 ・Googleマップなど準備 ・体験セッションの内容・料金の設定 | ・Googleマップ公開 ・体験セッション開始 | ・副業か専業かなど ・資金繰りシミュレーターもおすすめ ・Googleマップ登録は反映まで時間がかかるので、早めに準備を |
| 資金・計画 | ・事業計画書の作成 (江東区役所の創業相談も活用) ・創業融資の準備・金融機関へ相談 (公庫・ひがしん等) | ・創業融資面談 | ・審査結果通知・申込 | ・資金繰り見直し・最終チェック | ・融資審査は1〜2か月(自分でやると平均3か月とも) ・運転資金は3〜6か月分確保したい ・内装の追加工事や遅延がある場合は資金繰りを見直す |
| 物件 | ・不動産屋へ相談・店舗探し | ・店舗契約・内装業者選定 | ・水道・電気・ネット回線・(ガス)などの申込 | — | ・最初はSOHO物件+軽い内装工事でスモールスタート推奨 ・管理規約でジム利用(騒音・振動)が可能かは必ず事前確認 ・融資承認後に本契約が理想。ただし良い物件は早い者勝ちのため融資審査と並行して動くことも多い |
| マシン ・機材 | — | ・トレーニングマシン・機材などの見積もり・選定 | ・トレーニングマシン・機材準備 ・POSレジ・キャッシュレス決済導入 | ・ラバーマット、レンタル用のタオル・ウェア等の消耗品の調達 | ・レジ回りはオープン前の試運転を忘れずに |
| 行政手続き | — | — | ・開業届・青色申告承認申請書 | ・各種許可証の受け取り確認 | ・税務署は管轄に注意(江東西・住吉 or 江東東・亀戸) ・消防署への届出は内装業者に相談 ・サラリーマンからの開業は国保・国民年金の切替も |
| 税務・経理 | — | ・税理士への相談 | ・事業用口座・クレジットカード開設 | ・売上や現金などの管理方法の確認・整備 | ・税理士は早めに簡単でよいので相談を ・口座は必ずプライベートと分ける |
| 採用・研修 (※該当者のみ) | — | ・スタッフ採用 | ・研修・オペレーションテスト | ・シフト最終確認 | ・雇用する場合は税務署・労基(亀戸)・ハロワ(木場)への届出も必要 |
※上記はあくまで参考・目安です。状況によって手続きの内容やスケジュールは異なります。行政手続きや社会保険等については、必要に応じて行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。記載の機関情報は変更となる場合があります。最新情報は各機関へご確認ください。
目次
1-1. 【1年〜半年前】ターゲット・客単価・立地の方向性を決める
1. コンセプト・集客
1-1. 【1年〜半年前】ターゲット・客単価・立地の方向性を決める
開業準備でまず最初にすることは「どんな人に、何を、いくらで提供するか」というコンセプトづくりです。
ここが曖昧なまま準備を始めると、立地と業態がミスマッチになったり、後から軌道修正が難しくなります。
業態やコンセプト、立地は、そのエリアにはどんな人が多いかという切り口で考えてみるとよいでしょう。
- ダイエット・ボディメイク系なら、会社員・ビジネスパーソンの需要が高い豊洲・東陽町・門前仲町など
- シニア・健康維持系なら、住宅街の地域密着型(木場・砂町・亀戸など)
- 女性専用・ピラティス・ヨガ系なら、主婦・ファミリー層が多いエリアや、単価を取りやすい豊洲など
また、パーソナルジムは1日に対応できるセッション数に上限があるビジネスモデルです。一人で1日にこなせるセッション数に人数をかけると、月の売上の天井はある程度決まります。この段階で一度、生活するにはいくら売上が必要なのか、1セッションいくらに設定すべきか、資金繰りのシミュレーションをしておくことをおすすめします。
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なお、パーソナルトレーナーからの独立では、雇用→業務委託→出張・レンタルスタジオ利用というステップを経てから自分の店舗を持つルートも一般的です。店舗を持たない段階では初期費用を抑えながら顧客を育てられるメリットがあります。自分の店舗を持つタイミングは、ある程度の指名客がついてからでも遅くありません。
また、開業スタイルとして完全予約制でスタートするか、セルフトレーニングスペースを併設して固定収入も取りにいくかは、物件の広さや初期費用にも直結する重要な選択です。この点については後編で詳しく解説します。
1-2. 【3か月前までに着手】集客媒体の準備は早めに
開業後に集客で苦労するオーナーの多くが、忙しくてオープン直前まで集客の準備を後回しにしています。
パーソナルジムはInstagram・Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)・LINE公式アカウントが集客の主軸になるケースが多いです。いずれも登録から育成まで時間がかかるため、オープンの3か月前には準備を始めておくのが理想です。
特にGoogleマップは、「江東区 パーソナルジム」などの検索で表示されるようになるまで時間がかかります。開業前から登録しておくだけでも、オープン時のスタートダッシュに差が出ます。
また、体験セッションの内容・料金設定もこの時期までに決めておきましょう。パーソナルジムは体験セッションが新規顧客の入口になることが多く、内容・価格・申込方法をオープン前に整えておくことで、開業直後からスムーズに集客できます。
2. 資金・事業計画
2-1. 【1年〜半年前】事業計画書の作成
創業融資を受けるには事業計画書の作成が必要です。売上予測・経費・必要資金・返済計画などを数字で示す必要があります。
事業計画についてまだイメージがわかない方は、江東区では区役所の窓口で創業相談を無料で受けることができますので、まずは相談してみるとよいでしょう。
[江東区HP 創業支援のご案内]
https://www.city.koto.lg.jp/102010/sangyoshigoto/sougyou/sougyou.html
2-2. 【半年〜3か月前】創業融資の相談・申込
パーソナルジムの開業資金の調達先として最も一般的なのが日本政策金融公庫の創業融資です。融資は自己資金の約2〜3倍が目安なので、しっかりと開業資金を貯めておきましょう。また、審査には平均1〜2か月かかります。
内装費については、床材(衝撃吸収材・防音マット)・鏡・換気・電気容量の増設など、ジム特有の工事費用が発生します。またトレーニングマシンは新品にこだわらなくても中古市場が充実しているため、うまく活用することで初期費用を大幅に抑えられます。一方で、耐久性や保証の確認は必ず行いましょう。
東京東信用金庫(ひがしん)も、地元の創業者向けに積極的に融資を行っています。
創業融資の基礎知識① 創業をお考えの方必見!創業融資は2種類ある!
2-3. 開業前に知っておきたい「資金繰りの落とし穴」
私が税理士として多くの開業相談を受けてきた中であった、開業前後に資金繰りで苦労するケースをいくつか紹介します。
①内装・設備費の見積もりが甘い
「マシンさえあればできる」と思っていたところ、床材の施工・防音工事・換気設備の追加・電気容量の増設などが重なり、想定以上の工事費になるケースは珍しくありません。内装工事とマシン費用を分けて見積もり、早めに複数社から相見積もりを取ることが重要です。
②運転資金が少なすぎる
パーソナルジムは家賃・リース料・光熱費・集客費用など、固定費が毎月一定額出ていく構造です。開業直後は売上が安定しないため、運転資金は3〜6か月分確保しておくのが理想です。
③セッション単価を低く設定しすぎる
「まずは安くして集客しよう」と単価を低く設定してしまうと、1日の稼働上限があるパーソナルジムでは売上の天井が低くなりすぎます。家賃・固定費を払いながら生活できる単価になっているか、開業前に必ず試算しておきましょう。
④融資が降りる前に物件・内装を進めてしまう
「いい物件が見つかったから先に契約してしまった」というケースはパーソナルジムでも多いです。融資の審査中に家賃や内装工事費が先行して発生し、融資が降りた時点ですでに手元資金が底をつきかけているという状況になりかねません。融資の見通しが立ってから本契約に進むのが理想です。
ワンポイント:融資と物件契約のタイミング
融資承認後に本契約するのが理想ですが、現実には良い物件は早い者勝ちのため、審査中から物件探しを並行して進めることも多いです。できれば融資前は仮申込などにとどめ、正式契約は融資の見通しが立ってから進める、もしくは自己資金を厚めに確保しておくのが安全です。
3. 物件探し
3-1. 【半年〜3か月前に検討】物件選びのポイント
パーソナルジムは小規模なスペースでも開業できるのが特徴で、最初はSOHO物件+軽い内装工事でスモールスタートするのが資金繰りの観点からおすすめです。ただし、物件選びではいくつかの点を事前に確認しておく必要があります。
管理規約・用途の確認
マンションやSOHO物件をジムとして使う場合、不特定多数が出入りする商用利用や、騒音・振動を伴う利用を禁止している物件も多くあります。契約前に管理規約を必ず確認しておきましょう。
防音・荷重・換気
トレーニング中の振動や音は下の階や隣に響きやすく、防音対策が必要になるケースが多いです。また、マシンの重量に床の荷重制限が対応しているか、運動中の発汗・臭気に対応できる換気設備があるかも確認しておきたいポイントです。これらが既存設備で対応できるか、追加工事が必要かで初期費用が大きく変わります。
居抜き物件の活用
近年のフィットネスブームで廃業した物件も出てきており、床材や鏡がそのまま使えるジム居抜きであれば初期費用を大幅に抑えられます。数は多くないですが、探してみる価値はあります。
4. まとめ
前編では、コンセプト・資金計画・物件という開業の土台となる3つのテーマを解説しました。まずはスケジュール表を見ながら、このタイミングでこれをするんだな、とイメージしてみるとよいでしょう。
パーソナルジムは1日のセッション数に上限があるビジネスモデルのため、開業前に単価と必要売上を逆算しておくことが特に重要です。資金繰りシミュレーター等を活用して、必要な売上の目安を確認してみてください。
▼ 後編はこちら:【江東区】パーソナルジム・トレーニングスタジオの開業の流れとやること一覧(後編)|手続き・税務・事業拡大
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