【江東区・創業融資】下手でも自分で書くべき理由と事業計画書の丸投げが危険なワケ
こんにちは。江東区で税理士をしている中明(なかあき)です。
「文章を書くのが苦手だから、事業計画書はプロに代行してもらおう」
「融資の専門家に任せれば、きれいな書類を作ってくれるから安心だ」
創業融資のご相談を受けていると、こうした声をよく耳にします。
ただ、もし本気で融資を通したいのであれば、その考え方自体が、少し危ういかもしれません。というのも、金融機関の審査担当者が見ているのは、「書類の美しさ」や「専門用語の多さ」ではなく、
・この人は、自分の事業をどこまで理解しているか
・将来のリスクを、どれだけ現実的に想像できているか
という点だからです。
今回は、江東区で多くの創業融資に関わってきた税理士の立場から、「事業計画書を丸投げすることのリスク」と、下手でも自分で書くべき理由についてお話しします。
目次
1.江東区は創業しやすい。でも「準備不足」は普通に落ちる
江東区は、飲食店や建設業、IT系フリーランスなど、これから事業を始める方が非常に多いエリアです。
特定創業支援事業や産業会館のサポートなど、行政の創業支援制度も比較的充実しており、「創業しやすい地域」と言われることもあります。
ただし、それは「準備ができていなくても融資が通る」という意味ではありません。
創業融資の審査で、特に重視されているのは次の2点です。
- 本人が、事業の中身をきちんと理解しているか
- 「お金が減る局面」を現実的に想像できているか
この部分が弱いと、どれだけ書類が整っていても「準備不足」と判断され、否決されるケースは少なくありません。
2.開業後に直面しやすい「資金ショート」の現実
江東区で飲食店や建設業として開業する場合、開業後に特に多いのが、次のようなつまずきです。
- 開業直後は、想定より売上が立たない
- 家賃や外注費、材料費など、先に出ていくお金が重い
- 帳簿上は黒字でも、手元の現金が足りない
いわゆる「資金ショート」の状態です。
サラリーマン時代であれば、会社が給料を支払い続けてくれますし、多少業績が悪くても、すぐに生活が成り立たなくなることはありません。
一方で、個人事業主や創業直後の経営者には、それを守ってくれる「会社」はありません。
お金が回らなくなった瞬間に、
- 仕入れや外注ができなくなる
- 支払いのことで頭がいっぱいになる
- 本来集中すべき仕事に手が回らなくなる
こうして、事業そのものが一気に苦しくなってしまいます。
だからこそ、事業計画書は「銀行に見せるための書類」ではなく、開業後の自分を守るためのシミュレーションだと考える必要があります。
私自身、開業してから資金繰りに頭を抱える時期はありました。正直、精神的にもかなりきつかったです。 しかし、事業を行っていれば、そういう「向かい風」のタイミングは絶対に訪れます。 だからこそ、まだ冷静でいられる今のうちに、その時のためにしっかりと準備をしておく必要があるのです。
資金ショートを防ぐための方法として、「資金繰り表」があります。資金繰り表について詳しく知りたい方はこちらのコラムもお勧めです。
資金繰り表とは?作成のメリットと作り方のポイントを税理士が分かりやすく解説
3.なぜ「下手でもいいから自分で書く」べきなのか
事業計画書について、よくある誤解があります。「プロに任せたほうが、審査に通りやすい計画書ができるのでは?」
確かに、代行業者が作った計画書は、見た目も整っていて、理屈もきれいです。
ただ、創業融資の現場で実際によくあるのは、事業計画を丸投げしたことで、面談で話がかみ合わなくなるケースです。
- 売上の根拠を聞かれて、うまく説明できない
- 数字と本人の説明にズレがある
- 「なぜこの場所で、この事業なのか」が言葉にできない
こうした場面に直面すると、審査担当者はどうしても不安を感じます。
逆に、文章が多少うまくなくても、
- なぜ江東区で開業するのか
- どの時期が一番資金的に厳しいと考えているか
- 売上が下振れした場合、どう耐えるつもりか
こうした点を自分の言葉で説明できる方は、「きちんと考えている経営者」として評価されやすくなります。
4.専門家に相談するのは「仕上げ」。骨子は自分で考える
ここで誤解してほしくないのは、「専門家に相談するな」という話ではありません。
むしろ、
- 運転資金は本当に足りているか
- 税金や社会保険の支出を見落としていないか
- 金融機関が納得する数字になっているか
こうした点について、最後に専門家のチェックを受けることは、むしろおすすめです。ただし、それはあくまで仕上げの段階です。
- どんな事業をやりたいのか(どんなお店にしたいか)
- お客を1日にどれだけとれるのか(コンサルのだした理論値でなく、いままでの実体験として)
- どこでお金が減るのか(どこが譲れないポイントで、どうしても出ていくお金はいくらか)
- 何が一番不安なのか(最低いくらあれば生活できるのか)
この骨子の部分まで他人に任せてしまうと、事業計画は現実から離れたものになり、結果的に苦しむのは開業後の自分自身です。
事業計画は、「専門家に書いてもらうもの」ではなく、自分の考えを専門家に整えてもらうものだと考えてください。
5.文章が苦手なら、AIを「壁打ち」に使うのはアリ
「ゼロから書くのは正直つらい」
「考えはあるけど、言葉にするのが苦手」
そう感じる方も多いと思います。
その場合は、ChatGPTなどの生成AIを壁打ち相手として使うのがおすすめです。
- 考えを整理する
- 売上や費用の数字の前提を分解する
- 見落としているリスクを洗い出す
こうした使い方であれば、十分に意味があります。
ただし、出てきた文章をそのまま使うのではなく、最終的に自分の頭で納得するまでリライトして事業計画に落とし込むことが大切です。
6.江東区の創業でよく使われる融資制度
江東区で創業融資を検討する場合、主な選択肢は次のとおりです。
日本政策金融公庫
まず創業融資を考える場合に最初に挙がるのが、日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業融資(新創業融資制度)です。公庫は政府系の金融機関で、創業融資について積極的に行っているので起業当初の方にとっては心強い存在といえます。また基本的に無担保・無保証であるのも公庫の融資制度の特徴です。
[日本政策金融公庫HP 創業融資のご案内]
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/sogyoyushi.html
江東区の融資制度
創業支援資金融資2,500万円(うち運転資金:1,000万円以内、設備資金:1,500万円以内)
こちらは貸付金利が2.1%となっていますが、江東区が金利の1.8%~2.1%を負担してくれるものとなっており、実質の金利の負担は0%~0.3%となるのが特徴です。
[江東区HP 創業支援資金融資(創業前~創業後1年未満)]
https://www.city.koto.lg.jp/102010/sangyoshigoto/yushi/shurui/7589.html
江東区で起業する際に利用できる融資制度について詳しく知りたい方はこちらのコラムもお勧めです。
東京都江東区で起業する際に使える支援制度について紹介 ①資金調達(融資)編
7.まとめ|事業計画は「自分を守るため」に書く
創業融資の事業計画書は、金融機関のためだけに書くものではありません。
- 資金が減るタイミングを把握する
- 苦しい時期をどう乗り切るか考える
- この事業を続けられるかを確認する
そのための、自分を守る道具です。
骨子は自分で考え、必要に応じてAIや専門家の力を借りて整える。
この順番を意識するだけで、融資の通りやすさも、開業後の安定感も変わってきます。
8.本気で計画を見直したい方へ
当事務所では、事業計画書の「丸投げ作成」は行っていません。
その代わり、ご自身で考えた計画が現実的かどうか、専門家の目線でチェックし、整えるサポートを行っています。
「この計画で本当に資金は回るのか」「創業後に無理が出ないか、一度見てほしい」
そんな方は、壁打ち相手としてお気軽にご相談ください。
当事務所は、個人事業主・フリーランスの開業や確定申告などを得意としています。江東区での操業、確定申告などにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。若手税理士が親身に対応いたします。
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