【江東区】個人事業主が初めて従業員を雇うときの手続きと年間スケジュール|税理士がわかりやすく解説(後編)
▼前回のコラムはこちら:【江東区】個人事業主が初めて従業員を雇うときの手続きと年間スケジュール|税理士がわかりやすく解説(前編)
こんにちは。江東区で税理士をしている中明(なかあき)です。
前編では、江東区で個人事業主が従業員を初めて雇った際の「最初の手続き(税務署・労基署・ハローワーク)」と「毎月の給与計算業務」について解説しました。
従業員を雇うと、その後も源泉所得税の納付や年末調整など、年間を通してさまざまな手続きが発生します。
今回の後編では、雇った後に発生する「年間のスケジュール(7月〜3月の大きなイベント)」について、実務のポイントを交えながら解説していきます。
目次
1.年間スケジュールの再確認
まずは、前編でも掲載した「年間スケジュール表」で全体像をもう一度確認しておきましょう。
| 時期 | 窓口・提出先 | 手続き・タスク(略称) | ワンポイントメモ |
|---|---|---|---|
| 雇入時 | 税務署 | ① 給与支払の開始届(事務所開設届) | 雇用してから1ヶ月以内 |
| 税務署 | ② 納期の特例申請 ※任意 | 源泉税が「年2回払い」になるためおすすめ | |
| 税務署 | ③ 専従者給与の届出 | 家族に給与を出す場合のみ | |
| 労基署 (亀戸) | ④ 労災保険の加入(成立届・概算申告) | ハロワ(木場)の前にいく | |
| ハロワ (木場) | ⑤ 雇用保険の加入(設置届・資格取得届) | 労基署でもらった控えが必要 | |
| 毎月 | (社内業務) | 給与計算・支払・源泉徴収 | |
| 7月 | 税務署 | 源泉所得税の納付 (前半期分) | 【期限】7月10日 |
| 金融機関等 | 労働保険の年度更新 | 【期限】7月10日 | |
| 12月 | (社内業務) | 年末調整 | 扶養・保険料控除など |
| 1月 | 税務署 | ① 源泉所得税の納付 (後半期分) | 【期限】1月20日 |
| 税務署 | ② 法定調書合計表の提出 | 【期限】1月31日 | |
| 区役所など | ③ 給与支払報告書の提出 | 【期限】1月31日 | |
| 3月 | 税務署 | 個人の確定申告 | 【期限】3月15日 |
ここからは、表の後半部分「7月」以降の手続きについて順番に見ていきます。
2.7月:源泉所得税の納付・労働保険年度更新
7月は税務関連、保険関連ともに手続きが多い月です。
2-1. 税務関係
納期の特例を利用している場合、1〜6月分の源泉所得税を7月10日までに納付します。
ポイント :納特はだしておきましょう!
源泉所得税の納付は、納期の特例(納特)を出していない場合、毎月納付が必要になります。事務作業の負担が増えるため、納期の特例を提出しておくことをおすすめします。 納付は「金融機関」「インターネットバンキング」「e-Tax」などで行うことができます。銀行へ行く手間を考えると、e-Taxのダイレクト納付やインターネットバンキングが便利です。
2-2. 労働保険関係
労働保険は、4月〜翌年3月の1年単位で計算されます。 労働保険料は「見込みで納付 → 差額を精算」という流れを毎年繰り返します。 毎年7月頃に、
- 前年度の確定保険料(差額を精算)
- 当年度の概算保険料 を申告・納付します。
これを労働保険の年度更新といいます。
[厚生労働省HP 労働保険年度更新に係るお知らせ]
ポイント:年度更新はe-Govで!
労働保険の年度更新は、毎年6月〜7月頃に申告書が郵送されるケースが多いです。紙で提出するほか、e-Govに入力して電子申請することも可能です。毎年行う手続きになるため、e-Govに慣れておくと便利です。
3. 12月:年末調整
12月には年末調整を行います。 年末調整とは、ざっくりいうと、雇い主が従業員の家族や保険の状況を確認し、その内容を反映して所得税を計算し、最後の給与に反映する作業です。
具体的には、事業主が従業員から「扶養控除等申告書」や「保険料控除申告書」などの書類を回収し、「扶養控除」や「生命保険料控除」などを反映して、年間の所得税を精算します。
[国税庁HP 令和7年分 年末調整のしかた](毎年その年度のページがでます)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2025/01.htm
ポイント:確定申告するから年末調整は不要?
「確定申告をするから年末調整はいらない」と思われる方もいますが、確定申告をする場合でも年末調整は基本的に必要です。
4. 1月:法定調書の提出
1月は税務関係の提出書類が多い月です。
税務署
- 源泉所得税の納付(7〜12月分):期限1月20日
- 源泉徴収票の作成
- 法定調書合計表の提出:期限1月31日
[国税庁HP F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)]
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100051.htm
市区町村
- 給与支払報告書の提出(従業員の住民税計算のために提出します):期限1月31日
[江東区HP 給与支払報告書の提出について]
https://www.city.koto.lg.jp/060502/kurashi/zekin/kuminze/kyuho.html
ポイント:支払報告書はどこに提出する?
給与支払報告書は、事務所の管轄の税務署ではなく、従業員の住んでいる市区町村へ提出する必要があります。 提出は郵送のほか、eLTAX(エルタックス)というシステムで電子提出することもできます。これはe-Taxとは別のシステムなので注意しましょう。
5. 3月:個人事業主の確定申告
個人事業主は、3月に確定申告を行います。 このとき、支払った給与なども経費として記帳して申告します。
ポイント:記帳はこまめに!
12か月分の給与を源泉税も含めて一度に記帳するのはかなり大変です。年内から少しずつ記帳しておくと確定申告が楽になります。
6.江東区の主な提出先まとめ
江東区で事業を行っている場合、主な提出先は以下の通りです。
- 税務署:江東東税務署、江東西税務署
- 労働基準監督署:亀戸労働基準監督署
- 雇用保険(ハローワーク):ハローワーク木場
[江東東税務署]
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/location/tokyo/kotohigashi/index.htm
[江東西税務署]
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/location/tokyo/kotonishi/index.htm
[亀戸労働基準監督署]
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/kantoku/list/k-map-12.html
[ハローワーク木場]
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/list/kiba.html
ポイント:税務署の管轄や手続きの順番に注意!
江東区は税務署が2つあります。江東西税務署と江東東税務署で管轄が異なるため、住所によって提出先が変わります。 また、労働保険と雇用保険は提出先が違うため、間違えないように注意しましょう。基本的には「亀戸(労基署) → 木場(ハローワーク)」の順になります。
7.まとめ:迷ったら専門家に相談を
今回は、江東区で個人事業主が従業員を雇った場合の「年間の主な手続き」について解説しました。
従業員を雇うと、7月の源泉所得税の納付や労働保険の年度更新、12月の年末調整、1月の法定調書提出など、年間を通してさまざまな手続きが発生します。
自分で事業を回しながらこれらの事務作業も行う必要があるため、思ったより負担が大きいと感じる方も少なくありません。
当事務所では、江東区で開業された個人事業主や小規模事業者のサポートを行っています。
「従業員を雇ったけど手続きがよく分からない」「給与計算や源泉税の管理に不安がある」という方は、お気軽にご相談ください。
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