サラリーマンからフリーランスに!開業手続きと税金の基本・インボイス対応を税理士がわかりやすく解説
こんにちは。江東区で税理士をしている中明(なかあき)です。
サラリーマンから独立してフリーランスになると、自由な働き方ができる一方で、「手続き」や「税金」の知識が不可欠になります。
これまで会社が代わりにやってくれていたことも、自分自身で行わなければならないため、知らずにいると後々困ってしまうこともあります。
この記事では、サラリーマンから退職してフリーランスになるときに必要な手続きや、サラリーマン時代と変わる税金のポイントを税理士がわかりやすく解説します。
これから独立を考えている方も、すでに独立を決めた方も、ぜひチェックしてみてください!
目次
1. サラリーマンからフリーランスになると何が変わる?
サラリーマンからフリーランスになると、次のような大きな変化があります。
- 収入がすべて「自己責任」になる
- 社会保険や年金を自分で手続き・支払う必要がある
- 税金の申告(確定申告)を自分で行うことになる
- 経費を計上できるようになる
これまで会社に任せていた事務手続きや税金の支払いも、すべて自分自身で行う必要があるため、しっかり準備が必要です。
2. フリーランスになるときに必要な手続き
フリーランスとして活動を始める際は、以下の手続きを行いましょう。
2-1. 開業届を税務署に提出
個人事業を開始したら、「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出します。
提出期限は開業から1か月以内です。
2-2. 青色申告承認申請書の提出(おすすめ)
節税メリットを受けられる「青色申告」をするためには、「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
65万円控除などの特典が受けられるので、ぜひ提出しましょう。
青色申告については、こちらのコラムでメリットなどを詳しく解説しています。
→[フリーランス・個人事業主] 青色申告とは?3つのメリットと必要な手続きをわかりやすく解説!
2-3. 社会保険・年金の切り替え手続き
退職後は、健康保険や年金も自分で切り替えが必要になります。
- 健康保険:国民健康保険に加入
- 年金:国民年金に加入
住んでいる市区町村役所で手続きします。
江東区で開業を検討の方向けに、こちらのコラムで開業時に必要な手続きを具体的な届け出先などまで詳しく解説しています。
→江東区で開業するときに必要な手続きやポイントは?税理士がわかりやすく解説!
3. 税金まわりで変わること
サラリーマンとフリーランスでは、税金の扱いも大きく変わります。
項目 | サラリーマン | フリーランス |
所得税 | 年末調整(会社が実施) | 確定申告(自分で申告) |
住民税 | 給与天引き(特別徴収) | 自分で支払い |
社会保険料控除 | 給与から自動で控除 | 確定申告で控除申請 |
経費の扱い | 給与所得控除のみ | 実際の経費を計上 |
消費税・インボイス | なし | インボイス登録や消費税課税の可能性あり |
その他税金 | なし(マイホームの固定資産税など) | 個人事業税、償却資産税など |
所得税(確定申告)
サラリーマン時代は会社が年末調整を行っていましたが、フリーランスになると自分で確定申告を行う必要があります。
特に、年の途中で退職して独立した場合は、その年はサラリーマン時代の給与収入とフリーランス収入を合算して確定申告を行う必要があります。
退職時には会社から源泉徴収票をもらい、忘れずに申告に使いましょう。
インボイス制度にも注意
2023年10月からスタートした「インボイス制度」により、フリーランスも消費税の課税事業者として取引先にインボイス(適格請求書)を発行することが求められる場面が出てきました。
開業当初は売上1,000万円以下なら消費税は免除されますが、業種によっては取引先との関係からインボイス登録が必要になるケースもあり、登録するかどうかの判断が必要です。インボイス登録した場合、開業初年度でも消費税の課税事業者になるため消費税の申告や納付が必要になります。
ITエンジニアの方が独立してフリーランスになってご相談いただくことがよくありますが、基本的に法人が取引先になるので、インボイス登録される方が多い印象です。
インボイス登録のポイントは大きく以下の2つです。
- 売上規模や取引先の意向を踏まえて、インボイス登録を検討する
- 登録する場合は、課税事業者として消費税の納税義務が発生する
税金の年間スケジュールについても詳しく知りたいという方は、こちらのコラムもお勧めです。
→[フリーランス・個人事業主] 税金の年間支払いスケジュールを税理士が分かりやすく解説!
4. フリーランスならではの税金対策のポイント
フリーランスなら、次のような工夫で節税が可能です。
青色申告特別控除を活用する
正しい帳簿付け(複式簿記)をして、確定申告時に65万円控除を受ける
経費をきちんと記録する
- 仕事に使った交通費、備品代、家賃の一部(水道光熱費含む)なども経費にできる場合があります。
- 領収書を保存しておくことが大切です。
開業後の記帳などについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。
→[フリーランス・個人事業主] 開業したら、すぐに事業用の口座とクレジットカードをつくろう!
小規模企業共済やiDeCoの活用
- 小規模企業共済は退職金代わりになり、掛金全額が所得控除される
- iDeCoも掛金が全額所得控除になり、老後資金作りと節税が同時にできる
小規模企業共済やiDeCoについては、こちらのコラムで比較しながら詳しく解説しています。
→小規模企業共済とiDeCo、入るならどっちがおすすめ?税理士がポイントを分かりやすく解説
5. まとめ|スムーズな独立のために早めに準備を
サラリーマンからフリーランスになると、収入の管理や税金・社会保険の手続きなど、これまで会社に任せていたことをすべて自分で対応する必要があります。
また、インボイス制度への対応も新たな検討ポイントとなるため、事前に情報を整理しておくと安心です。
正しい知識を持って手続きや節税策を活用すれば、自由な働き方をしながら、しっかりと自分のビジネスを育てることができます。
独立にあたって不安がある方は、一度税理士に相談してみるのがおすすめです。早めに専門家へ相談しておくことで、後々のミスや思わぬリスクを防ぐことができます。忙しいあなたの代わりに経理と税務の「安心」を提供します。
清澄会計事務所では、フリーランス・個人事業主の青色申告や確定申告を得意としており、節税のアドバイスや記帳のサポートも行っております。初回のご相談は無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

お気軽にご相談ください
30代の若手税理士がわかりやすく親身に対応いたします。
LINEからのご連絡も受け付けております。
弊事務所のプライバシーポリシーはこちらからご確認いただけます。