小規模事業者持続化補助金の加点項目と減点項目について分かりやすく解説!
こんにちは。江東区で税理士をしている中明です。
今回は小規模事業者持続化補助金の加点項目と減点項目について解説していきます。
持続化補助金はインターネット広告等、幅広い経費が対象となる使い勝手の良い補助金のため申請を考える方も多いのではないでしょうか。持続化補助金には、審査上加点となる項目と減点となる項目があります。どちらも採択に大きく影響するので、どのような内容が加点・減点になるのかしっかりと押さえた上で申請したいですね。今回はこれらについて持続化補助金の申請をお考えの方向けに分かりやすく解説していきます。
目次
①加点項目の内容
持続化補助金の加点は、大きく書類審査での加点と政策的観点からの加点に分かれます。
<書類審査での加点>
書類審査での加点では、経営計画書等の内容について確認され、加点がなされます。そのため、いかに加点の対象となっている内容を計画書へしっかり織り込めるかが重要となってきます。
<政策的観点からの加点>
一方で政策的観点からの加点では、いくつかの要件に該当する事業者について加点が行われます。例えば「赤字賃上げ加点」では、賃金引上げ枠に申請する事業者のうち、赤字である事業者に対して、採択審査時に政策的観点から加点されるといった形です。
それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
②書類審査での加点
申請で作成する経営計画書・補助事業計画書において、以下の項目に基づいて加点がなされます。
計画書上で、自社や自社サービスの強みを書くことや、例えば広告をうつ場合なら狙っている顧客層や市場にマッチした計画になっているかをしっかり織り込むようにしましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
自社の経営状況分析の妥当性 | ・自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。 |
経営方針・目標と今後のプランの適切性 | ・経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。 ・経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。 |
補助事業計画の有効性 | ・補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。 ・販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために 必要かつ有効なものか。 ・補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。 ・補助事業計画には、ITを有効に活用する取組が見られるか。 |
積算の透明・適切性 | ・補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。 ・事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。 |
小規模事業者持続化補助金<一般型>第 13 回公募公募要領
https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_koubo_ver9.pdf
③政策的観点から加点
加点は、【重点政策加点】と【政策加点】からそれぞれ1種類、 合計2種類まで選択することができます。3種類以上は選択できず、選択した場合は書類不備となってしまうので注意しましょう。
【重点政策加点】 (以下から1つまで)
(1)赤字賃上げ加点
(2)事業環境変化加点
(3)東日本大震災加点
例えば現在、事業が赤字の方で、賃上げを検討されている方であれば、(1)を選択してもよいかもしれません。
【政策加点】(以下から1つまで)
(1)パワーアップ型加点
・地域資源型
・地域コミュニティ型
(2)経営力向上計画加点
(3)事業承継加点
(4)過疎地域加点
上記(1)のパワーアップ型加点は、地域資源等を活用したサービスを地域外へ販売する計画等を策定した場合に加点となります。そのような計画を考えている方は狙ってみてもよいかもしれません。
④減点項目(減点調整)
上記加点項目とともに減点項目もあります。減点項目に当てはまってしまうと、審査上不利になってしまい、採択率が下がる可能性があるので注意が必要です。
<減点項目>
(1)補助金申請システム(名称:J グランツ)を使用せず、郵送で申請を行った場合
(2)過去の補助事業(全国対象)の実施回数等に 応じて段階的に減点
特に(1)の電子申請について注意が必要です。電子申請ではなく、郵送で書類を送付すると減点になります。電子申請は簡単に行うことができるので、必ず補助金申請システムで申請するようにしましょう。
またこの補助金申請システムについては、事前にgBizIDアカウントを取得しておく必要があります。こちらの取得には数週間程度かかるので早めに取得しておくようにしましょう。取得の方法についてはこちらのブログで詳しく解説しています。
⑤まとめ
・持続化補助金の加点には、書類審査での加点と、政策的観点からの加点がある。
・書類審査の加点は、加点となる内容をいかに計画書に織り込めるかがポイント
・政策的観点からの加点は、自社のやりたいことなどをふまえて、該当するものがないか確認してみましょう。
・電子申請をしない場合、減点となってしまうので、できるだけ電子申請をしましょう。
・電子申請にはあらかじめgBizIDアカウントを取得しておく必要があるので、事前に用意しておきましょう。
さて、今回は持続化補助金の加点項目と減点項目について解説しました。申請にあたってはこれらの内容についてよく確認した上で、申請するようにしましょう。
清澄会計事務所では、小規模事業者持続化補助金の申請のサポートを行っております。申請にあたってお悩みの方はお気軽にご相談ください。