【江東区】飲食店・カフェ開業ガイド|「POSレジ」と「クレカ」で確定申告を楽にする3つの鉄則(記帳編)

▼シリーズ第1弾(開業編)はこちら [【江東区】飲食店・カフェ開業ガイド|物件契約の前に知っておきたい「お金と手続き」を税理士が解説]

こんにちは。江東区で税理士をしている中明(なかあき)です。

前回の「開業準備編」に続き、今回は華やかなお店の営業を支える、重要な「舞台裏」の話をします。

美味しい料理や最高の接客でお客様を呼ぶことはできても、お店を長く続けていくためには「お金の管理」が欠かせません。とはいえ、営業終了後の疲れた体で、数字と睨めっこするのは苦行でしかないですよね。

「領収書を段ボール箱に突っ込んだまま、確定申告直前に地獄を見る……」 そんな未来を防ぐために、開業直後の飲食店が絶対に整えておくべき“王道の経理スタイル”を解説します。

目次

1.【売上管理】レジは「POSレジ」を!補助金でお得に導入しよう

 1-1. POSレジ導入の最大のメリット

 1-2. 江東区の「ICT等導入支援事業」を活用しよう

2.【居酒屋・Bar必見】領収書には「登録番号(T番号)」を忘れずに

 2-1. 接待利用ではインボイスを求められることが多い

 2-2. レジの設定ひとつで解決

3.【経費管理】現金払いを減らす。「事業用クレカ」が最強の時短ツール

 3-1. 鉄則:支払いは「事業用クレジットカード」に集約

 3-2. やってはいけないこと(公私混同)

4.【現金管理】ここだけはアナログ。「現金出納帳」からは逃げられない

 4-1.「レジの現金」と「財布の現金」を混ぜない

 4-2. 現金出納帳をつける

5.まとめ:最初の「仕組み作り」が店を救う

1.【売上管理】レジは「POSレジ」を!補助金でお得に導入しよう

今どきの飲食店経理において、「レジの紙ジャーナルを見ながら、手入力で会計ソフトに打つ」というやり方は、正直かなりしんどいです。今は「POSレジ」と「会計ソフト」の連携がスタンダードです。

1-1. POSレジ導入の最大のメリット

POSレジ(Airレジやスマレジなど)を導入し、会計ソフト(freee・マネーフォワードなど)と連携させると、以下のメリットがあります。

経理にかかる時間がほぼゼロになる

毎日の売上データが自動で取り込まれるので、売上の入力ミスや手間が激減します。また飲食店は通常、毎日お金を数えたりという「レジ締め」という作業を行うのですが、手作業での計算が不要になるので、作業時間を大幅に短縮できます。

江東区のカフェや個人経営の飲食店でも、今はタブレット型のPOSレジが主流です。

毎月の売上が把握しやすくなる

日々の売上がデータとして取り込めるので、何曜日の売上が多いかといった分析できるといったメリットもあります。

飲食店は廃棄が多いと原価率が上がってしまい、利益が残らなくなってしまいます。そのため、例えば天気や曜日などと見比べて、どんな日が多く人が来るか、たくさん売れるかを分析すると、多く売れる日は作る量を増やして品切れを防いだり、また人が少ない曜日は作る量を減らして廃棄などを減らすことができるようになるでしょう。この辺りは長年の経験や勘でやる方も多いですが、データでみると新たな発見があったりします。自分では活用できるかわからない、という方向けに、当事務所では売上データの分析などもサポートしております。

1-2. 江東区の「ICT等導入支援事業」を活用しよう

「POSレジは便利そうだけど、初期費用が高い…」 そんな方に必ず知っておいてほしいのが、江東区の補助金制度です。

江東区には、業務効率化のためのITツール導入を支援する「ICT等導入支援事業(補助金)」があります。

【対象経費の例】

POSレジアプリの導入費

タブレット端末(iPad等)

キャッシュレス決済端末 など

【補助内容(例)】

導入費用の1/2補助

上限50万円など ※年度により詳細が異なります。必ず最新の公募要領をご確認ください。

[江東区HP ICT等導入支援事業]

https://www.city.koto.lg.jp/102020/sangyoshigoto/sangyo/itc_shien.html

ここがポイント!

一般的には補助対象外になりやすい「タブレット端末」でも、「レジ専用として使う」ことが明確なら対象になるケースがあります。ただし、導入(購入)「前」の申請が必須です。「レジを買う前」に、一度ご相談ください。補助金は期間やタイミングが限られているので、開店に間に合わない場合などは、最初は手作業などでレジ締めを行い、その後補助金でPOSレジを購入するなどでもよいでしょう。

2.【居酒屋・Bar必見】領収書には「登録番号(T番号)」を忘れずに

POSレジを導入したら、必ずやっておくべき設定があります。それは「インボイス登録番号(T番号)」の印字設定です。

そもそもインボイス登録って?自分はインボイス登録したほうがいい?という方は前回の「【江東区】飲食店・カフェ開業ガイド|物件契約の前に知っておきたい「お金と手続き」を税理士が解説(開業編)」をあわせてご覧ください。

2-1. 接待利用ではインボイスを求められることが多い

居酒屋やバー、少し単価の高いカフェでは、お客様が「接待交際費」として領収書を求めることがあります。 このとき、領収書に以下の3点が記載されていないと、お客様が経費処理で損をしてしまう可能性があります。

・店名

・金額

・インボイス登録番号(Tから始まる番号)

番号がないと、「インボイス登録していると書いてあったのに」、「あのお店は接待などで使いにくい」と敬遠される原因になりかねません。

2-2. レジの設定ひとつで解決

大手POSレジなら、設定画面に登録番号を入力するだけで、レシートや領収書に自動で印字されます。 忙しい時間帯に手書き領収書を書く手間を減らすためにも、「レシート=インボイス(適格簡易請求書)」にしておくのが、最も現実的でスマートな対応です。

3.【経費管理】現金払いを減らす。「事業用クレカ」が最強の時短ツール

仕入れのたびに現金を出して、レシートをもらって、後日まとめて入力する……この作業は想像以上に時間を奪います。

3-1. 鉄則:支払いは「事業用クレジットカード」に集約

スーパー(赤札堂・オオゼキ等)での食材仕入れ、Amazonでの備品購入、光熱費の支払い。これらをすべて「店専用のクレジットカード」にまとめましょう。

個人事業主であれば、自分の使っているクレジットカードを1枚決めて、それを事業用の口座に紐づけて店専用にするだけでOKです。

会計ソフトと連携すれば、「日付・金額・支払先」が自動で取り込まれ、経費入力の手間が激減します。

3-2. やってはいけないこと(公私混同)

同じカードで、自分の夕飯やプライベートの買い物をしないこと。 自動連携されたデータに私用が混ざると、あとから「除外する作業」が増え、逆に手間がかかります。

「カードも口座も、店専用を作る」 これが経理を楽にする最大のコツです。

事業用口座やクレジットカードの運用などについてもっと詳しく知りたい方は、こちらのコラムもお勧めです。

[フリーランス・個人事業主] 開業したら、すぐに事業用の口座とクレジットカードをつくろう!

4.【現金管理】ここだけはアナログ。「現金出納帳」からは逃げられない

とはいえ、飲食店で「現金ゼロ」はほぼ不可能です。 だからこそ、現金管理は避けて通れません。ここはトラブルになりやすく、税務調査でも真っ先に確認されるポイントです。

4-1.「レジの現金」と「財布の現金」を混ぜない

「売上金から少し抜いて買い出しに行く」「気付いたらレジ残高が合わない」……これは本当によくある失敗です。

売上金から抜いて買い出しに行くと、レジ締めの時に売上とレジ金がずれている理由がわからなくなってしまう可能性があります。

・レジ金は「売上管理専用」にする

・小口の支払いは、別途用意した「小口現金」か、個人の財布から「立替払い」をする

このルールを徹底しましょう。

4-2. 現金出納帳をつける

クレカが使えない支払い(代引き、急な仕入での赤札堂での現金払いなど)はどうしても発生します。その場合は、「いつ、どこで、何に、いくら使ったか」を記録する「現金出納帳」が必要です。 あとでまとめてやろうと溜め込むと地獄を見ますので、基本的には毎日エクセルなどで管理するか、もしくはスマホで入力できるアプリなどを活用し、その都度こまめに入力するのがコツです。

<現金出納帳のイメージ>

日付摘要入金出金残高領収書の有無
1/1前月からの繰り越し10,00010,000-
1/2現金売上20,00030,000
1/3赤札堂で材料仕入15,00015,000
1/3プライベートから入金50,00065,000-

ワンポイント:現金売上は、資金繰りの味方

開業直後は、「仕入れはクレカ(支払いは翌月)現金売上は即入金」というタイムラグが、資金繰りを支えてくれることも多いです。 どちらもクレジット決済にしている場合に比べて、売上の入金から支払に+1か月余裕が生まれるためです。この+1か月は開業時の資金繰りには想像以上に大きな影響があります。

完全キャッシュレスにすると、売上の入金サイクルが遅くなる上に手数料も引かれるため、資金繰りには十分注意してください。

現金の管理について、もっと詳しく知りたい方は、こちらのコラムもお勧めです。

現金はどうやって管理したらいいの?税理士がポイントと注意点をわかりやすく解説

5.まとめ:最初の「仕組み作り」が店を救う

売上: POSレジ連携で自動化(補助金活用・T番号設定を忘れずに)

経費: 事業用クレカ連携で自動化(公私混同はNG)

現金: どうしても発生するものだけ「現金出納帳」を頑張る

この王道スタイルをオープン直後に整えておくだけで、経理にかかる時間は体感で半分以下になります。 逆に、これを放置したまま半年経つと、あとから立て直すのに想像以上の手間と税理士費用がかかってしまいます。

清澄会計事務所では、創業融資のサポートから、飲食店特有の税務判断経理の仕組み作りまでトータルでサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。

お気軽にご相談ください

30代の若手税理士がわかりやすく親身に対応いたします。LINEからのご連絡も受け付けております。

LINE
当事務所のプライバシーポリシーはこちらからご確認いただけます。

江東区の税理士による事業成長のサポート