【江東区】飲食店・カフェ開業ガイド|物件契約の前に知っておきたい「お金と手続き」を税理士が解説(開業編)

こんにちは。江東区で税理士をしている中明(なかあき)です。

清澄白河や門前仲町、豊洲エリアなどは、いまや「カフェ・飲食店の激戦区」として非常に人気があります。「いつかはこの街で自分のお店を持ちたい」と準備を進めている方も多いのではないでしょうか。

美味しいメニューやこだわりの内装イメージはバッチリでも、いざ具体的に動き出すと「複雑な手続き」「シビアなお金の話」でつまづいてしまう方が少なくありません。

今回は、江東区で飲食店を開業する方に向けて、物件契約のハンコを押す前に知っておいてほしい税務や資金調達などの重要ポイントをまとめました。

目次

1. 飲食店開業時の税務手続き

2.江東区での許認可・行政手続き

3.融資までの「空家賃(カラヤチン)」による資金ショートに注意

4.江東区で開業する際に使える補助金

5. インボイスと消費税「免税」の落とし穴

6.まとめ:次回「記帳編」へ

1. 飲食店開業時の税務手続き

まずは、税務署への届出です。これは「出したか出していないか」だけで、将来の税金が数万円〜数十万円変わることもあるので、必ず期限内に提出しましょう。

個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)

開業から1ヶ月以内に提出します。

青色申告承認申請書

これが最も重要です。原則として開業から2ヶ月以内に提出します。

初年度の赤字(開業費用や仕入など)を翌年以降の黒字と相殺する「繰越控除」などが使えるようになります。

ワンポイント:青色申告で損失を翌期以降の節税に使える

飲食店は、内装工事などの設備投資が多く、また売上が思うように立たなかったりと初年度は赤字になりがちです。

青色申告承認申請書を提出し、赤字を翌期以降に繰り越せるようにしておきましょう。これによって翌年以降に黒字化したときに、初年度の赤字とぶつけて節税することができます

また初期投資が多い場合は、消費税の還付をうけることも検討してよいでしょう。こちらは後ほど解説します。

青色事業専従者給与に関する届出書

配偶者や親族にお店を手伝ってもらって給料を支払う場合は、この届出を出しておくことで、支払った給料を経費にすることができます。

江東区での開業、青色申告や青色専従者について詳しく知りたい方にお勧めのコラム3選

①江東区で開業する際の手続きについて詳しく知りたい方向け(江東西税務署と江東東税務署の所管などまで解説)

江東区で開業するときに必要な手続きやポイントは?税理士がわかりやすく解説!

②青色申告について詳しく知りたい方向け(65万控除やその他のメリットについて解説)

[フリーランス・個人事業主] 青色申告とは?3つのメリットと必要な手続きをわかりやすく解説!

③青色専従者について詳しく知りたい方向け(青色専従者の注意点などについて詳しく解説)

青色事業専従者給与のデメリットや注意点をしっかりおさえられていますか?

2.江東区での許認可・行政手続き

飲食店をやるには「食品衛生法」や「消防法」の許可や届け出が必要です。

飲食店営業許可(保健所)

江東区保健所(東陽町)への相談が必要です。

タイミングとしては、内装工事の着工前に図面を持って相談に行くことをお勧めします。工事が終わってから「手洗い場のサイズが違う」などと言われると、追加工事で数十万円がかかる場合があります。

[江東区保健所HP]

https://www.city.koto.lg.jp/260311/shisetsuannai/kenkou/hokenshisetsu/16330.html

業種や規模によっては「消防法」の届出が必要になる場合もあります。各種届出の詳細については、行政書士さんなどの専門家に相談するとスムーズに開業準備が進められます。

3.融資までの「空家賃(カラヤチン)」による資金ショートに注意

江東区の人気エリア(清澄白河など)は、良い物件が出るとすぐに埋まってしまうため、「早く契約しないと取られる!」と焦る気持ちは痛いほどわかります。 しかし、創業融資の内定など、資金繰りの目途が全く立っていないのに勢いで契約してしまうのはリスクがあります。

「融資の着金」と「家賃発生」のタイムラグ

日本政策金融公庫などの創業融資は、申し込みから着金までスムーズにいっても1〜2ヶ月ほどかかります。

一方で、物件を契約すると、多くの場合、翌月からすぐに家賃が発生します。 内装工事中でお店がオープンしておらず、売上が1円もない状態でも、江東区の高い家賃は容赦なく引かれていきます。

よくある失敗パターン

手付金や保証金はなんとか自己資金で払ったものの、融資がおりるのが遅れ、オープンまでの数ヶ月間の「空家賃(カラヤチン)」で運転資金が底をついてしまった……。といったことが起こりかねません。

対策:シミュレーションと交渉

• 融資が1〜2ヶ月遅れても、家賃を払い続けられるだけの自己資金(余力)はあるか?

• 契約時に「内装工事期間中の1ヶ月だけ家賃を無料にする(フリーレント)」交渉はできないか?

「物件を押さえたい」という焦りだけで契約せず、お店のオープンや融資が遅れても大丈夫なように資金繰りを必ずシミュレーションしてください。

資金繰りを管理するためには「資金繰り表」を作ることがおすすめです。資金繰り表についてはこちらのコラムで詳しく解説しています。

資金繰り表とは?作成のメリットと作り方のポイントを税理士が分かりやすく解説

4.江東区で開業する際に使える補助金

江東区は、開業に際して利用できる補助金などの制度が充実しています。

特に飲食店におすすめの補助金を以下にピックアップしました。

東京都の創業助成金:上限300万円

こちらの補助金の特徴として、賃借料や従業員人件費等の運転資金が補助対象となっています。飲食店は特に、創業当初の運転資金などが不安定になることも多いため、おすすめです。

[東京都産業労働局HP 創業助成金]

https://www.tokyo-sogyo-net.metro.tokyo.lg.jp/finance/sogyo_josei.html

江東区のICT等導入支援事業:上限50万円

ソフトウェアの導入(クラウドサービス、サブスクリプション型も対象)や、キャッシュレス端末機器の導入など幅広い事業が対象になっています。飲食店や小売で必須なキャッシュレス端末の購入に活用できますので、おすすめです。

[江東区HP ICT等導入支援事業]

https://www.city.koto.lg.jp/102020/sangyoshigoto/sangyo/itc_shien.html

江東区で開業する際に利用できる補助金について詳しく知りたい方はこちらのコラムもお勧めです。

東京都江東区で起業する際に使える支援制度について紹介 ②資金調達(補助金)編

5. インボイスと消費税「免税」の落とし穴

インボイス登録ってどうすればよい?というご質問をよく頂きますが、飲食店の場合、以下の2つのポイントで考えるとよいでしょう。

① 「領収書がほしいといわれることが多いお店(業態)か?」

接待などで利用されるような居酒屋などであればインボイス登録をした方が、そのようなお客様から選ばれやすくなります。そうでないカフェなどではインボイス登録はそこまで焦らなくていい、と考えられるでしょう。

なお、開業から2年間は原則として消費税の納税義務がありませんが、インボイス登録した場合は初年度から消費税を納める必要があります。

② 初期投資は大きいか?

内装工事や厨房機器で、例えば1,000万円の初期投資をした場合、あえてインボイス登録をして「課税事業者」になることで、支払った消費税(約100万円近く)が還付される(戻ってくる)可能性があります。(※実際には売上や仕入などによって還付額は増減します)

ただし、これを行うとその後しばらく免税に戻れないなどの縛りが発生するため、安易な還付の判断は禁物です。初年度に消費税の課税事業者になって還付を受けたが、翌期以降の消費税の金額を考えると結局多く税金を払うことになってしまった等ということが起こりえます。 「今、還付を受けるか」か、「将来の節税を優先するか」。これは非常に専門的な判断になるため、必ず税理士に相談しましょう。

そもそもインボイス登録とは?という方には、こちらのコラムもお勧めです。

インボイス登録した方は消費税も忘れずに!2割特例などを分かりやすく解説

6.まとめ:次回「記帳編」へ

江東区での飲食店開業は、物件争奪戦から始まり、税務署や保健所への複雑な届出や許可申請、そしてシビアな資金繰りとの戦いです。 特に「創業融資」と「消費税の判定」は、一度間違えると後戻りすることが難しいため、安易に考えていると開業が遅れたり、多く税金を払うことになり損してしまったりします。物件の契約書にハンコを押す前に一度専門家へ相談することをお勧めします。

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清澄会計事務所では、創業融資のサポートから、飲食店特有の税務判断までトータルでサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。

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