【江東区】美容室・サロン開業ガイド|開業前に知っておきたいお金と税金の話(開業編)

こんにちは。江東区で税理士をしている中明(なかあき)です。

江東区ではここ数年、美容室やサロンの開業相談が増えています。
清澄白河・門前仲町・森下エリアの個人サロンから、豊洲・東雲・有明エリアのテナント型サロンまで、形態はさまざまですが、共通しているのは「こだわりの強いお店づくり」です。

ただし、理想のサロンを作ろうとするほどぶつかるのが「資金の壁」です。

第一の壁(資金調達):美容室の開業資金は、内装や設備を含めると1,000万円〜1,500万円になるケースも珍しくありません。とくにこだわりの強いお店づくりをしようとすると、追加で100万円~200万円ほど費用が膨らむケースもあります。
第二の壁(資金繰り):技術や集客力があっても、お金のやりくりや資金繰りの見立てが甘いとオープン半年で資金ショート…という事例もよく見かけます。

この記事では、江東区で美容室・サロンを開業する方に向けて、そんな「資金」に関するお話を、税理士の視点から「資金計画」と「税務のポイント」の観点で分かりやすく解説します。
江東区でこれから美容室・サロン開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

1.【創業融資・資金計画】美容室は「初期投資+固定費」が重い業種

2. 王道の節税対策:青色申告承認申請書を忘れずに

3.【開業費】オープン前の支出は意外と経費になる

4.【消費税】インボイス登録・還付・簡易課税の判断は慎重に

 4-1:インボイス登録は顧客層で判断

 4-2:消費税還付と簡易課税の判断は税理士に相談を

5.【江東区】開業時に使える補助制度もチェック

6.まとめ|美容室開業は「こだわり×お金の設計」で成功率が変わる


1.【創業融資・資金計画】美容室は「初期投資+固定費」が重い業種

美容室の開業では、想像以上に細かい出費が積み重なります。内装工事が大きなものですが、そのほかの費用を忘れていると、想定以上にお金が出ていき開業早々焦ることになります。

主な初期費用の例:

  • 内装工事(セット面・待合スペースなど)
  • シャンプー台・水回り設備
  • レセプションカウンター
  • バックヤード設備
  • 施術用備品・美容機材

さらに、オープン後は以下のランニングコストも発生します。

主なランニングコストの例:

  • 家賃
  • 人件費
  • 材料費
  • 広告宣伝費(ホットペッパー・Google広告など)

特に美容室やサロンは、開業直後の集客をホットペッパーGoogleのリスティング広告などに頼るケースも多く、広告費が想定以上に重くなりがちです。

そのため、

  • 自己資金はできるだけ厚めに準備
  • 日本政策金融公庫などの創業融資を活用
  • ひがしん(東京東信用金庫)など地元金融機関との協調融資も検討

といった資金計画が重要になります。

また、創業融資やその後の資金繰りでは「事業計画書」が非常に重要です。
コンサル任せではなく、自分の言葉で売上見込みやコンセプトをしっかり説明できることが審査でも評価されやすいポイントです。

ちなみに、自己資金はタンス預金ではなく「通帳に記帳された履歴」が重視されます。
また、クレジットカードやローンの返済履歴なども審査では確認されるため、延滞がない状態を維持しておくことも大切です。

創業融資について詳しく知りたい方はこちらのコラムもおすすめです。
創業融資の基礎知識① 創業をお考えの方必見!創業融資は2種類ある!


2. 王道の節税対策:青色申告承認申請書を忘れずに

開業時には忘れずに、青色申告承認申請書を提出しておきましょう。

65万円控除赤字の繰越など、開業初期の資金面を支えてくれる制度です。

美容室・サロンは、開業初年度は先行投資が多く赤字になりやすい業種ですが、青色申告を出しておくことで、この赤字を翌期以降に黒字化した際に黒字と相殺できるようになり、節税できます

なお、原則として開業から2ヶ月以内という提出期限がありますので注意しましょう。

青色申告承認申請書について詳しく知りたい方はこちらのコラムもおすすめです。
[フリーランス・個人事業主] 青色申告とは?3つのメリットと必要な手続きをわかりやすく解説!


3.【開業費】オープン前の支出は意外と経費になる

開業準備中には、競合店の視察や物件探しなどでさまざまな支出が発生します。
例えば、開業準備中には次のような支出が発生するケースが多いでしょう。

  • 他店サロンの施術体験(市場調査)
  • 打ち合わせのカフェ代
  • 物件内見の交通費
  • 美容師仲間との情報交換

これらは、単なるプライベートではなく事業準備のための支出であれば、「開業費」として計上できる可能性があります。

開業費のメリットは、黒字になったタイミングでまとめて経費にできるという点です。

「まだ開業届を出していないから…」と領収書を捨ててしまう方もいますが、それは本当にもったいないです。
開業前のレシート・領収書は必ず保管しておきましょう。

開業費など、1年目に注意しておきたいポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムもお勧めです。

【江東区】個人事業主の確定申告|相談先と1年目の注意点を税理士が解説


4.【消費税】インボイス登録・還付・簡易課税の判断は慎重に

4-1:インボイス登録は顧客層で判断

インボイス登録が必要かどうかは、メインの顧客層によって判断が変わります。
個人客中心のサロンなのか、法人取引やモデルなどが多いのかによって最適な選択は異なります。

一般的に個人客中心のサロンであれば、インボイス登録を急ぐ必要がないケースも多いでしょう。

インボイス登録をすると、消費税を納める必要があります
消費税の納付負担は想像以上に大きくなることもあるため、本当に登録が必要かどうかは慎重に検討しましょう。

インボイス登録について詳しく知りたい方はこちらのコラムもおすすめです。
インボイス登録した方は消費税も忘れずに!2割特例などを分かりやすく解説

4-2:消費税還付と簡易課税の判断は税理士に相談を

美容室・サロンは、開業初年度に内装費や設備投資が大きくなりやすいため、消費税の還付を検討できるケースがあります。消費税の還付を受けることで、初年度にまとまった額の還付を受け取れる場合もあります。

ただし、ここは非常に判断が難しいポイントです。

課税事業者になり消費税還付を受ける場合:

メリット
・初年度にまとまった額の還付金が入る可能性がある

デメリット
・本来は免税事業者(消費税0円)でいられた期間がなくなるため、トータルの納税額が増えるリスクがある
・設備投資の内容によっては、その後数年間は免税事業者に戻れなくなる可能性がある

(*)ワンポイント:簡易課税の方がお得?

簡易課税とは、売上に一定割合(美容業は第5種事業:みなし仕入率50%)を掛けて納税額を計算する方法です。
美容室は人件費など消費税がかからない支出の割合が高く、原則課税(実額計算)では課税仕入が伸びにくいことも多いため、実務上は簡易課税の方が納税額の目安が売上の約5%前後に収まりやすく、有利になるケースもあります。

ここは自己判断で決めると後から取り返しがつかないこともあるため、事前に税理士へ相談することをおすすめします。


5.【江東区】開業時に使える補助制度もチェック

江東区では、創業者向けに家賃補助などの制度が用意されている場合があります。

名称対象事業者主な補助内容補助率・上限
ホームページ作成費補助江東区内に本店(個人にあっては主たる事業所)を有する中小企業者等ホームページ作成に係る外部委託費やドメイン取得費用、サーバー利用初期費用補助対象経費の2分の1以内(千円未満切捨)、補助金額上限10万円まで
ICT等導入支援事業江東区内の中小企業・創業予定者ソフトウェアの導入(クラウド型やサブスクリプション型も対象)
キャッシュレス端末機器の導入など
補助率:1/2、上限:50万円
創業支援事務所等賃料補助金江東区内で創業する個人及び法人で、中小企業診断士等による指導等を受けている方事務所等の月額賃料最大で補助率:1/2、上限:10万円

*名称をクリックすると各補助金のHPへアクセスできます。

内容は毎年変わるため、最新情報の確認が大切です。

なお、補助金は基本的にモノを購入する前に申請する必要があるので、タイミングには注意しましょう。

江東区で開業する際に利用できる補助金について詳しく知りたい方はこちらのコラムもお勧めです。

東京都江東区で起業する際に使える支援制度について紹介 ②資金調達(補助金)編


6.まとめ|美容室開業は「こだわり×お金の設計」で成功率が変わる

こだわりの内装や技術はもちろん大切ですが、長く続くサロンにするには「お金の設計」が欠かせません。

今回のポイント:

  • 開業時の細かい経費や開業後の広告費まで見越した創業融資の設計
  • 青色申告や開業費を活用してしっかり節税
  • インボイス登録や消費税還付と簡易課税のシミュレーション

これらは、知っているだけで数十万〜数百万円の差が出ることもあります。

江東区で美容室・サロン開業を検討している方は、開業前の段階から税理士に相談しておくと安心です。

当事務所では、創業融資のサポートから税務設計までトータルでご相談いただけます。
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次回の後編では、美容室・サロンがオープン後に悩みやすい「記帳」「資金繰り」「人件費管理」について、実務目線で解説します。

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