[フリーランス・個人事業主] 赤字でも確定申告は必要?申告したほうがよい理由を税理士が解説!

こんにちは。江東区で税理士をしている中明です。

今回はフリーランスや個人事業主で事業が赤字の時でも確定申告すべきか?について分かりやすく解説していきます。

フリーランスや個人事業主でいざ独立しても開業当初は事業が思ったよりうまくいかなくて赤字になった、というのはよくある話です。赤字になってしまうと、ただでさえ面倒な確定申告に後ろ向きな気持ちになってしまう方も多いと思います。

ただ、赤字でも確定申告するほうがメリットは多いです

事業が赤字のときに確定申告するとどんなメリットがあるのか、さっそく見ていきましょう!

目次

①赤字の場合、申告義務はある?

②所得を証明

③損失の繰り越しができる(青色申告のみ)

④補助金や給付金の申請

⑤国民健康保険や住民税が安くなる可能性がある

⑥申告するデメリットはある?

⑦まとめ

赤字の場合、申告義務はある?

まず、そもそも赤字のときに確定申告する義務はあるかという疑問があると思います。

基本的に、フリーランスや個人事業主で所得が48万以下の場合は、基礎控除以下になるので確定申告は不要です。そのため、フリーランスで赤字の場合は確定申告する必要はないことになります。

ただ、明らかに赤字の場合は問題ないですが、微妙な黒字の場合などは決算を締めてみると実は申告が必要だった、ということも起こり得ますので気を付けましょう。結果的に申告不要だとしても日々の記帳は必要ということですね。

またインボイス登録していて消費税の課税事業者になっている場合は、所得税は申告不要でも消費税は申告が必要な可能性があるので注意しましょう。

ちなみにサラリーマンの副業の場合は副業の所得が20万以下の場合は所得税の申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。また法人の場合は赤字でも申告が必要です。

[国税HP 確定申告が必要な方]

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2023/01/1_06.htm

[国税HP 給与所得で確定申告が必要な人]

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

所得を証明

メリットの1つ目として、確定申告書が所得を証明する書類になるという点があります。

サラリーマンと違って、フリーランスや個人事業主になると、自分の所得を証明するものは基本的に確定申告書になります。自分の所得を証明しないといけない場面は、案外色々なタイミングであります。

たとえば、個人事業で銀行からの借入をしたい時や、個人の住宅ローン等の借入の際にも必要になります。

赤字でも確定申告しておくことで、自分の所得を証明する書類とすることができます。

損失の繰り越しができる(青色申告のみ)

今年発生した赤字を、翌期以降3年間の黒字とぶつけて、税金を減らせる、というのが損失の繰り越しのざっくりとした内容です。

フリーランスや個人事業だと開業当初は赤字になることも多いですが、赤字でも確定申告をしておくことで、事業が軌道に乗って黒字になったときに税金を減らすことができます

青色申告のメリットについては、こちらのコラムで解説しています。また国税HPも確認してください。

[国税HP 純損失の繰り越しと繰り戻し]

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

補助金や給付金の申請

創業したての時期から受けることができる補助金や給付金はたくさんあります。

ただこれらの補助金などは、申請時に前期の確定申告書を提出する必要があるものが多いです。

創業時の資金調達の1つの手段として補助金や給付金を活用するためにも、赤字でも申告をしっかりとしておく必要があります。

創業時から使える補助金はこちらのコラムで解説しています。

国民健康保険や住民税が安くなる可能性がある

所得が一定の金額以下の場合は、国民健康保険料の減免を受けることができます。

またフリーランスや個人事業主で赤字の場合は、住民税も非課税になる可能性があります。

また「非課税証明書」を発行してもらうことで、公的サービスの減額といったメリットを得られる場合もあります。

これらの制度は基本的に確定申告を行わないと、各自治体が所得を把握することができないので適用を受けられません。住民税のみ申告をすることもできますが、所得税の確定申告をすれば別途住民税の申告をする必要もないので、結果的に早いし簡単です。

申告するデメリットはある?

デメリットはありません。申告の手間がかかるだけです。

上で書いた通り、手間を上回るメリットがありますので、申告することをお勧めします。

まとめ

赤字の場合も確定申告することで様々なメリットがあります。多少面倒に感じても、しっかりと確定申告するようにしましょう。

弊所ではフリーランスや個人事業主の確定申告や税金に関するご相談対応を得意としています。お気軽にご相談ください。