【江東区】美容室・サロン開業ガイド|オープン後に失敗しない経理と資金繰りの基本(記帳編)
▼シリーズ第1弾(開業編)はこちら 【江東区】美容室・サロン開業ガイド|開業前に知っておきたいお金と税金の話(開業編)
こんにちは。江東区で税理士をしている中明(なかあき)です。
前編では、開業時の資金計画や税金について解説しました。
江東区で美容室・サロン開業のご相談を受ける中でも、オープン後の「日々の経理」と「資金繰り」は特につまずきやすいポイントです。
後編では、美容室・サロンがオープン後に悩みやすいこの「日々の経理」と「資金繰り」について、実務でよくあるケースをもとに整理していきます。
開業直後は集客や現場対応に追われがちですが、最初のタイミングで記帳やお金の流れを整えておくと、その後の負担は大きく変わります。
「売上が伸びてから考える」ではなく、早めに仕組みを作っておくことが大切です。
目次
2.【売上はあるのにお金がない】美容室は資金繰りで悩みやすい
1.【記帳を楽にする】POSレジ導入はほぼ必須
美容室・サロンの経理で後から苦労しやすいのが、「売上や経費を手入力している」というパターンです。
手入力は、
- 入力ミス
- 集計漏れ
- レジ現金が合わない
といったトラブルの原因になりやすく、後からの修正も大変です。
AirレジなどのPOSレジと会計ソフトを連携できると、
- 売上データを自動取り込み
- 記帳のミスや手間を大幅削減
- 売れ筋のサービスやプランが分析できる
というメリットがあります。
売上データが日別・担当者別に整理されることで、利益などの数字の見え方も分かりやすくなります。
実務的にも「最初に入れておけばよかった…」となりやすい部分なので、開業時点で検討しておくのがおすすめです。
また、美容室では
- ホットペッパービューティー(リクルート系)
- SALON BOARD
- STORES予約
- Square予約
などの予約管理システムと連携することで、予約〜顧客管理~決済までを一元管理できるケースもあります。
業務効率化の観点からも、導入時にまとめて設計しておくと後が楽です。
2.【売上はあるのにお金がない】美容室は資金繰りで悩みやすい
美容室・サロンの相談でよく聞くのが、「売上は伸びているのに、なぜか手元のお金が増えない」という悩みです。
原因のひとつが、クレジットカード(キャッシュレス)入金のタイムラグです。
- お客様は今日カードで支払っている
- でもカードの入金は来週〜翌月になる
- その間に家賃・人件費・材料費・広告費の引き落としが来る
このように現金売上と違い、カード売上の入金は来週~翌月以降にズレて遅れてきます。このズレが積み重なると、繁忙期でも資金繰りが苦しくなることがあります。
特に美容室・サロンは、
- 家賃(固定費)
- 人件費(固定費寄り)
- 広告費(開業直後は重め)
- 材料費(変動しやすい)
が同時に発生するため、資金繰りは慎重に見ておく必要があります。
とくに開業当初の実務的におすすめなのはシンプルで、
- 「売上」ではなく「入金予定」で資金を考える
- 決済サービスやコストごとの入出金タイミングを理解しておく
- その上で「資金繰り表」を作り、1〜2か月先までの資金繰りをざっくり把握する
これだけでも、「黒字なのにお金が足りない」という状況はかなり防げます。
「資金繰り表」について詳しく知りたい方はこちらのコラムもお勧めです。
資金繰り表とは?作成のメリットと作り方のポイントを税理士が分かりやすく解説
3.【経理の基本】事業用口座とクレジットカードは必ず分ける
開業後しばらくしてから、「通帳がぐちゃぐちゃで何が事業の支出かわからない」というご相談も少なくありません。
プライベートと事業のお金が混ざると、
- 経理の手間が増える
- 記帳ミスが起きやすくなる
- 数字の把握が遅れる
といった状態になりやすいです。
おすすめは、事業専用の銀行口座とクレジットカードを用意して、広告費や材料費などはカード払いや口座引き落としに寄せることです。
プライベート口座と事業口座を分けていないと、後からまとめて処理しようとするとき経費なのかプライベートの出費なのかわからず、想像以上に手間が増えます。事業用口座やクレジットカードをつくることで、明細データを会計ソフトに取り込めるので、記帳の負担がかなり軽くなります。
事業用口座やクレジットカードの運用について詳しく知りたい方はこちらのコラムもおすすめです。
[フリーランス・個人事業主] 開業したら、すぐに事業用の口座とクレジットカードをつくろう!
4.【人件費まわり】社労士に早めに相談しておく
美容室・サロンは、開業当初からスタッフを雇うケースも多く、「人」に関する悩みが出やすい業種です。
開業したばかりの段階では、まだ制度やルールが十分に整っていないことも多く、その状態で雇用や業務委託が始まることで、後から問題や迷いが出てしまうケースも少なくありません。
開業直後は売上や内装に意識が向きがちですが、人まわりの設計も同じくらい重要です。
たとえば、
- 雇用にするのか業務委託にするのか
- 歩合の設計
- 社会保険の考え方
- 労務トラブルを防ぐためのルール作り
など、開業したばかりの段階では判断に迷いやすいポイントも多くあります。
信頼して相談できる社労士を早めに見つけておくと、その後の運営がスムーズになります。
実務的には、「スタッフが増えてから慌てて相談する」よりも、「1人目を雇う前に簡単に相談しておく」方がトラブルは大きく減ります。
5.【在庫管理】意外と見落としがちだが資金繰りにも影響が
美容室・サロンは、
- カラー剤
- トリートメント
- 店販商品
など、細かい在庫が多くなりやすい業種です。
在庫管理を放置すると、
- 余計な在庫を仕入れてコストが増える
- 利益が出ているのか分かりにくくなる
- 決算時の棚卸で慌てる
といった状況になりがちです。
また、在庫は「現金がモノに変わっている状態」でもあります。
在庫を持ちすぎると、利益は出ているのに手元資金が減る原因にもなるため、資金繰りの観点でも定期的に確認しておきたいポイントです。
毎月完璧に管理する必要はありませんが、まずは次のような基本を意識しておくと安心です。
在庫管理のポイント
- 年末は在庫数を必ずチェックする
- 12月末にまとめて仕入れすぎない
- 「在庫を減らして年を越す」という意識を持つ
節税と資金繰りの観点から、仕入れは計画的に行いましょう。
利益は出ているのにお金が貯まらないケースの、よくある理由について詳しく知りたい方はこちらのコラムもお勧めです。
利益が出ているのにお金が貯まらない?黒字倒産を防ぐ資金繰り改善法を税理士が分かりやすく解説
6.【江東区】レジ導入は補助金対象になることも
POSレジや予約システムは、導入タイミングによっては補助金を活用できる場合があります。
- IT導入補助金
- 江東区のICT等導入支援事業
などで、システム導入費用の一部が対象になるケースもあります。
特に、
- 美容室向けクラウドPOS
- 顧客管理や電子カルテ一体型システム
- セルフレジ・自動精算機
といった、予約・顧客管理・売上分析まで一体化したツールは対象になりやすい傾向があります。
一方で、Airレジなどのシンプルなレジアプリは、そのままでは補助対象にならないことも多いため、「導入したいシステムが対象かどうか」は事前に確認しておくことが大切です。
※補助金は公募期間があり、「購入前の申請」が必須となるケースがほとんどです。
「先にレジを導入してしまったため対象外になった…」という事例もあるため、導入を検討している段階で確認しておくと安心です。
[IT導入補助金HP]
[江東区HP ICT等導入支援事業]
https://www.city.koto.lg.jp/102020/sangyoshigoto/sangyo/itc_shien.html
7.【法人化】焦らず、まずは個人事業主からがおすすめ
法人化は開業相談でもよく話題になりますが、実務的には、まずは個人事業主から始めることをおすすめするケースが多いです。
開業直後はまず、
・収支の形を整える
・資金繰りを安定させる
・経理を仕組み化する
といった土台づくりが優先です。
法人化にはもちろんメリットもありますが、社会保険や役員報酬など固定費や手続きも増えます。
また、個人事業主と比べてお金の管理もより厳格になるため、開業直後に法人化すると、かえって記帳や資金管理が複雑になり、運営の負担が増えてしまうケースもあります。
実際に、売上が安定する前に法人化して「思っていたより節税にならないし、個人事業主の方が運営しやすかった」と感じる方も少なくありません。
節税だけを理由に急ぐよりも、利益とキャッシュの状況を見ながらタイミングを検討していく方が安心です。
法人化のメリットやデメリットについて詳しく知りたい方はこちらのコラムもお勧めです。
【個人事業主・フリーランス】法人化すべき?メリット・デメリットと判断基準を税理士が解説
8.まとめ|美容室は「仕組み」と「資金繰り」で安定する
今回のポイントを振り返ると、次のような点が重要になります。
- POSレジ連携で記帳の手間とミスを減らす
- 美容室はクレカ入金のタイムラグがあるため、資金繰りは“入金ベース”で見る
- 事業用口座・クレジットカードを分けて経理をシンプルに
- 人件費まわりは早めに相談してルールを整える
- 在庫管理は見落としがちだが、資金繰りに影響もあるので注意
- レジや予約システムは補助金対象になることもある
開業直後は集客や現場対応に追われがちですが、最初に経理と資金繰りの土台を整えておくだけで、その後の負担は大きく変わります。
「何から整えればいいか分からない」という段階でも問題ありません。
江東区で美容室・サロン開業をご検討中の方は、開業後の経理の仕組みづくりや資金繰りの設計についても、お気軽にご相談ください。
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